日本の文句を言いながら、どうして日本で事業をしているの?

社会
雪乃
雪乃

いつもありがとうございます。日本人は集団主義的だとか同調圧力が強いとか、よく言われますが本当でしょうか?日本のことを価値観が狭いという妙な表現をしている介護の経営者がいらっしゃったので、いろいろと考えてみました。

日本をけなしながら日本で事業をする人

Twitterで介護経営者のツイートが流れてきました。

どうやらその経営者は、かつてデンマークに留学していた経験もあるようなのですが、日本で事業をしている今、息苦しさを感じているようです。

その経営者は「日本は価値観が狭い」という日本語的に妙な表現で、この国を出ていくという選択をするのもありだとおっしゃっていました。止めませんのでどうぞご自由に。

価値観が狭いという言い方はあまり使いませんね。視野が狭いとか、狭い価値観とか言うならしっくりくるのですが。ともあれ「日本が嫌いなんだなあ」とこういう人を見るにつけ思います。

別に日本のことを悪く思う自由もありますし、日本が好きで良くなって欲しいという思いから、日本についての不満を口にすることだって、あるでしょう。しかし、その経営者のような物言いをする人には、個人的に違和感を感じます。

今までの積み重ねがあるから日本がある

私は留学などしたことがなく、日本でずっと暮らしています。確かに今の日本の制度には問題点だってたくさんあるでしょう。

しかし、それ以上に感じるのは、日本人であることのありがたさです。

この国では教育も医療も受けられますし、道路や水道を使うことができます。

日本語を使って会話をすることができます。世の中には、話者が少なくなって消滅しかかっている言語がたくさんあります。例えばアイルランドでは、政府がアイルランド語の使用を推進していますが、若年層を中心に英語話者が増え、このままでは衰退してしまうかもしれないと言われています。

日本語は高等教育を受ける場合にも使えます。明治以前の日本語には、語彙が少なく、抽象的な概念を日本語で表現することができませんでした。

なので明治になってから取り入れた海外の学問を英語で行おうとする意見もあったのですが、海外の言葉を日本語に翻訳する作業が行われ、日本語での教育ができるに至っています。

英語だって、もともとはマイナー言語。キリスト教の教えを理解したり、学問的な議論を行う場合にはラテン語が使えなければついていけないという時代があったのです。

しかし英語も翻訳で語彙を増やすという努力が行われたために、現代では英語の聖書が読めますし学術論文を英語で書いたりできるようになったのです。

日本に生まれて日本語を身につけ、周囲とコミュニケーションが取れるのは、とてもありがたいことだと思います。

今現在、日本語を使っている人は、先人の努力の恩恵を受けていると言ってもよいでしょう。

次に国土ですが、関東平野だってもともとは氾濫原であると先日投稿しました。

徳川家康の時代から利根川を東に遷して川の流れを変え反乱を防ぎ、江戸時代〜明治時代、さらに現代に至るまで、治水事業が行われています。今の私たちの安心安全な暮らしは過去の日本人の努力のおかげです。

どんなに優秀な経営者だって、国が道路を作ったり、法律を整備したり、学校で人材を育てなければ事業はやっていけないでしょう。

日本が狭い価値観の国なのかどうかは置いておくにしても、過去を含めてこの国が日本人に恩恵を与えてくれていることは、決して忘れてはいけないと思います。

その経営者だってデンマークに行く時は、日本政府が発行したパスポートを使用したはずです。日本人がパスポートを使って他国に行く権利は、過去の日本の取り組みの実績によって勝ち得てきた権利です。

日本のことをどう言うも自由なのですが、よく考えて発言をされているのか、そこが疑問です。

日本は狭い価値観…本当にそうなのか?

また日本のことを狭い価値観の国と評するのが妥当なのかどうか、疑問です。

私だって他国の価値観に触れることがそうそうあるわけではありません。

違う価値観に対して反発しやすいという点ではそうかもしれません。

しかし、日本が寛容だと言われることだってあるようです。

これはTwitterというごく限られた世界の話なのですが、海外のオタクがコスプレをした黒人女性に差別的な返信を送ったとのこと。日本のオタクは褒めたり画像を作ったり、好意的に反応していたことを海外ユーザーが指摘しています。

違う価値観に対する反発はどこでだって起こりうるものではないでしょうか?他国では移民が移民同士寄り集まって、移民だけのコミュニティを形成しています。価値観の似たもの同士で集まっていた方が安心するのが、人間の自然な性質だと思います。

それにしても、海外に憧れて長期間他国に滞在して日本を否定する価値観を身につけて帰ってくることの多いこと。

たいてい自己責任の感覚が強く、自立できなければダメだと言い放ち、他者に対する想像力が欠けています。

そして日本人でありながら日本人を見下すメンタリティの源泉は、他国に行って他の人とは違う体験をしたとか、その程度のちっぽけなものです。所詮、日本人の特権を利用して他国に行った程度のことでしかないと思うのですが、海外の感覚を押し付けるのは辞めて欲しいものです。

よそはよそ。うちはうち。そんなにデンマークがよければデンマークの子になりなさい。

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