認定調査票の書き方:排尿の選択と特記事項について

介護
雪乃
雪乃

いつもありがとうございます。この記事では、認定調査で排尿がどの状態に該当するか選択の判断の根拠と、特記事項の文例について書きたいと思います。

認定調査における排尿の項目について

認定調査では、排尿の項目は重要です。やはり排尿に介助が必要だと介護負担は大きくなりますし、見守りが必要なレベルや常に介助が必要なレベル、普段は自立しているけど失敗することもあるなど、状態像が様々です。

そのため、この項目のチェックは間違えないように定義をしっかり確認しておかなければなりません。

また、例え排泄に何も問題がなかったとしてもこの項目には必ず特記事項に普段の様子を記載してくださいと言われたりします。

特に問題がなければ昼と夜の排泄を自立して行っていると回数を書いておけば良いですが、何か支障が生じている場合は詳しく状況を記載しなければなりません。

そうでないと二次判定の時に審査会が迷ってしまいます。

この項目はいろいろなバリエーションがあり、しっかり書くとかなりのボリュームになりそうです。他のサイトには選択の根拠についてしっかりと解説しているものもあったのですが、特記事項の例はあまりみかけなかったので参考となるような文例を書いてみたいと思います。

大前提

・排尿の項目は、トイレに行くまでの移動の方法や介助については評価しない。

・排尿による衣服の汚染の交換の介助については別の項目「更衣」で評価する。

・認知症のためトイレに行くタイミングがわからず、定期的にトイレ誘導する手間は見守りに含む

・体調や時間帯により介助の方法が異なる場合は「より頻回な状況で」選択する(他の介助の方法で選択する項目と同じ)。

・実際の介助の状況が「不適切な状況」である場合は適切な介助の方法を選択する(他の項目も同じ)。

では例を挙げて実際に見て行きましょう。

例:昼間5回、夜間2回、トイレに行き排泄している。独りで排尿しているが、尿が飛び散っており、汚れているのを家族が見つけて1日1〜2回掃除をしている。失禁はない。普通の下着。

選択:一部介助

選択の根拠:日常的な掃除で済む場合は含まないが、明らかに汚れが酷く拭き取る手間が発生している場合は、介助に含み一部介助となる。

特記事項の文例:昼間5回、夜間2回、トイレに行き自分で排尿しているが、排尿の際に尿が飛び散り便器の汚染があり、家族は1日2回拭き取りをしなければならない。失禁はなく、普通の下着を着用している。

この場合の特記事項は、状況の聞き取りが出来ていればそのまま記入するだけですね。日常のトイレ掃除で対応できる場合は介助に含まれないことに注意すれば、正しく選択できると思います。

より頻回な状況から判断する場合

例:昼間は5回程度トイレに行って排尿しているが、夜間は歩行が難しく、ベッドの横に置いているポータブルトイレを使って2回排尿する。ポータブルトイレは朝に家族が洗っている。リハビリパンツを着用しているが、念のために着用しているだけでリハビリパンツ内に排尿することはない。

選択:介助されていない。

選択の根拠:この場合、対象者は1日7回排尿している。うち5回は介助されておらず、夜間は体調的に2回ポータブルを使用しており、家族による掃除(一部介助)が行われているが介助なし5回>一部介助あり2回なので、より頻回な状況は介助なし。

特記事項の文例:昼間5回はトイレに行き介助なく排尿。歩行困難のため夜間は2回ベッド横のポータブルトイレに排尿し、家族が毎朝ポータブルを洗浄している。リハビリパンツ着用しているが失敗はない。より頻回な状況を選択。

これも特記事項には把握した状況をそのまま書けばいいでしょう。状況を書けば「より頻回な状況を」と書かなくても伝わると思いますが念のため。これもポータブルトイレを使っていることからそのまま一部介助としてしまわないように注意が必要です。別なパターンの文例を書いてみましょう。

特記事項の文例:体調の良い時のみトイレまで歩いて行き昼間1回程度排尿する。トイレの中では自分で動作を行っている。他、昼間4回程度と夜間2回はポータブルトイレを使用し、1日2回家族がポータブルを洗浄しており、頻回な状況で選択。リハビリパンツを使うが失敗はない。

4回、ポータブルトイレに排尿した文を家族が1回掃除した場合、4回分の排尿が介助されたと計算します。

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不潔行為がある場合

例:認知症があり、家族は仕事で昼間独居。昼間は7回程度トイレに行っていると本人は言うが、夕方家族が帰宅するとベッドに汚れたパットが1〜2枚あり、家族が処分している。家族の帰宅後は家族がトイレに行くのを促し、失敗はない。夜間はトイレに行かず失敗もない。リハビリパンツ、パットを着用。新しいパットは自分で出している。

選択:一部介助

選択の根拠:汚れたパットを隠したり正しく処分しないのは、不潔行為であり一部介助に該当。

特記事項の文例:昼間7回程度トイレに行き排尿していると本人は言うが、認知症があり詳しい頻度はわからない。家族の話では帰宅するとベッドに汚れたパットが隠されており、家族が毎日1〜2枚を処分しているとのこと。パットは自分で当てている。家族がいる時は早めにトイレに行くよう促しており、失敗はない。夜間はトイレに行かず失敗もない。リハビリパンツも使用している。

少しコンパクトにまとめるのが難しくなってきました。排尿の項目はどうしても長くなりがちです。家族が仕事をしているとか、日中は独りだとかは概況調査の欄に記載している場合が多いでしょうし、ここには入れていません。

他の記載例

他にも考えられるパターンを想定し、記載の文例だけ書いていきます。

不適切な状況の例:認知症でトイレ内に介助者が入ることに拒否があり、介助できない。施設内のトイレで昼間6回排尿するが、衣服が尿で汚染していることが多く、尿臭がするため1日1回職員が更衣を促している。夜間は排尿なし。本来であれば介助者がトイレに入り動作ごとに声掛けする見守りが必要と判断。(状況を不適切と判断し、見守りにチェック。適切な介助の方法を選択したことがわかるように記載)

寝たきりの例:重度の寝たきりで、介助者が昼間3回、夜間2回ベッド上でオムツを交換している。

トイレ内での介助:尿意なく、昼間5回時間を決めてトイレに車椅子で誘導し確認するが毎回パット内に排尿がある。衣服上げ下げ、清拭、パット交換等全ての行為に介助が行われている。夜間はベッド上でオムツ交換が2回行われている。(昼間の介助方法、夜間ともに全介助に該当するため全介助にチェック)

他にもありますが、この記事ではここまでとさせて頂きます。排尿は状況を記載するのがどうしても長くなりがちなので、できるだけ簡潔に情報が伝わるよう、想定したケースに関する記載例を挙げてみました。

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