いつもありがとうございます。介護の仕事をしていると、利用者さんからの暴力を受けてしまうことがあります。そういった行為では、対応の仕方だけでは防ぎきれませんよとこれまでも書いてきましたが、本日は介護職とご家族との関係の面から、利用者さんの暴力行為について考えてみたいと思います。
利用者さんからの暴力について、ご家族も考えて欲しいです
Twitterであった投稿なのですが
利用者さんのご家族から「暴力されない介護を考えるのが介護職でしょう」と言われました・・・
どうやったら暴力がおさまるか、施設でよく話し合って対応してそれでもどうにもならないから苦労しているのですが・・
このような介護職からの投稿がありました。
過去に書いてきていますが、介護職の対応『だけ』で暴力が解決するわけではありません。
そもそも、暴力を受けたくて介護をしている人などいるはずもありませんし。
もちろん、対応によっては暴力が防げる場合もあるとは思います。
しかし、普段からどのように対応すればよいかの検討は大抵の場合しています。一部のテレビ番組で認知症の方の興奮や不穏を抑える技法があると紹介されたからか、介護職でも対応次第で暴力はなんとかなると信じ切っている場合もありますが、いろいろなケースを見ているとどうもそうではないようです。
認知症の利用者さんでもその日その日で気分にムラがあったり、何かのきっかけでスイッチが入るのか急に怒り出したりされる方もいらっしゃいます。
それをご家族に理解されず「暴力をされない介護を考えるのが介護職の仕事」と言われてしまえば、こちらも閉口してしまいます。
施設での介護を受けている場合は家庭で介護できないから施設に入られている場合が多いかと思います。施設に入られた以上は、ご家族が直接介護をされる機会はほぼないでしょう。
たとえ家族を施設に入所させたとしても、利用者さんに面会されたり、衣類や靴など必要な物を購入されたり、どのような医療を受けるのかを考えられたりも立派な介護なのですが。逆に言えば、施設に預けたからといって全て施設に対応を任せてしまうのは、私は違うのではないかと思います。
・介護の専門職であっても問題行動に対応するのは時として大変なこと
・施設に入られていたとしても、ご家族は何もしなくていいわけではないこと
以上のことはご理解頂きたいと思っております。
介護職は格闘家ではありません
在宅で介護されている場合でも、介護職に過剰な期待をされているご家族もいらっしゃいます。
関連するツイートで、別の方から
介護をしていて利用者さんから殴られた時、ご家族さんから「プロなんだからもっとうまく避けろよ」と言われてしまいました・・・
というものもありました。訪問介護の仕事をされている方からの投稿でした。
在宅介護で、ひょっとしたらその家族さんはご本人からの暴力をもっとうまく避けているのかもしれません。しかし
介護職は格闘家でもなんでもないですし、殴られて当然の仕事でもありません。
あくまでも介護保険の枠組みの中で、介護を受けられるご本人の生活を助けるために介護を提供しています。
働いている方にも、人権というものがあります。
お金を頂いてお仕事をしているので、大変な状況でも介護を提供するのは当然と言えば当然なのでしょう。
ですが、プロだからといってパンチを避ける訓練なんかしてるわけではないですよね。何のプロだと思っておられるのでしょうか?
介護サービスは無理やり押し付けで提供しているものではありませんので、あまり介護サービスにご不満があるのであれば利用をされなくてもよいと思いますよ。
介護職はプロとは言え、それ以前に人間です。
殴られれば嫌な思いをします。痛いです。ケガだってしてしまいます。
そのような状況でまだご家族から苦言を呈されるようであれば、モチベーションの維持も難しいと思います。
そのご家族だって日頃の介護で大変な思いをされているのかもしれません。ですが、自分のご家族が他者に暴力を振るってしまっている時点で、言葉は選んで欲しいものです。
認知症になられた方の全てに、そのような行為が発生するわけではありませんが、介護職としても対応に苦慮する場合があります。家族に代わってなんでもするのが介護職の仕事ではありません。
サービスを提供する側、される側、どちらも対等です。
また、施設での介護についてご家族に相談しても「うちの人は暴力を振るう人じゃない」と取り合ってもらえないこともあったりします。
利用者さんの気持ちを落ち着ける一つの方法として精神科の受診を提案しても「薬を飲ませるなんてとんでもない」と言われてしまうこともあります。
ご家族のお気持ちもいろいろあるのでしょうが、施設との話し合いにも応じて頂きたいと思います。そうすることもまた、介護の一つなのですから。
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