「困ってない私はお金はいらないから、別の困っている人に使え」という意見について

社会

今はもう景気対策をどうするかが問題になってますね。

感染症を広げないためにどうするのかも大事なので、個人個人の咳エチケットや手洗いは今後も重要ですし、医療機関は重症患者にしっかり対応できるように体制を整えておかなければならない。

ですが、株式相場の大幅な下落や消費の自粛、外出機会の減少は経済に悪影響を与えるのでそっちの方が心配になってきました。

感染症だって人が死にますが、不景気でも人は死にます。不景気の不幸な犠牲をどうやって減らすのか、ちゃんと考えないといけないですね。

別に困っていなくても、黙ってお金を使えばいい

政府が検討しているのは「1人あたり12000円を定額給付する」という案だそうです。これはあくまでも景気対策の一環であって、これが全てではない。

景気対策がこれで終わってもらっては困ります。

正直、額が少なすぎるのですけどないよりはマシでしょう。この際、額が妥当かどうかは置いておいてもいいと思っています。

Twitterで流れてきたツイートですが

1人12000円配るなんて言ってるけど、私は困ってない。だから私はいらない。そんな金があるなら、困っている人に使ってあげて欲しい。

こんな意見がありました。

へー。自分がお金いらないのはそれでいいと思うんですよね。

でも自分が困ってないからそのお金を困っている人に使ってあげてって、私が性格悪いからかもしれませんが、偉そうな言い方だと思います。

まあそこまで言うからにはそこそこの生活をされてるのでしょう。でも12000円の臨時収入がありがたい身としてはなんだかイラっとします。

個人的にはそんな人が恵んでくれたお金なんか、なんだか屈辱的な感じがして受け取りたくないですね。

そんなことを言っているくらいなら、黙ってお金を受け取って自分が意味のあると思うものに黙ってお金を出せばいいと思います。

働いているほとんどの人にとっては、自分が所属する組織のサービスを誰かに買ってもらうことで収入が成り立っています。皆がお金を使わなくなることによって、その売り上げが落ちて中には倒産してしまう会社もあるのではないか?ということが今危惧されているのでしょう。

そんなお金を受け取る自分が困っているからとか困っていないからとかいうのは後にして、別に困ってなくてももらったお金を使ってしまえば誰かの収入になります。

誰かが支出したお金は、必ず別の誰かの収入になるのですから。

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「そんな金があるなら別のことに使え」という愚

いちおう上記のようなツイートを投稿しておきましたけど、予想していた通り

「そんなことに使うお金があるなら、別のことにお金を使える」

という反論がきました。

なるほど、確かにただ漫然とお金をばらまくより、困っている人に対してより重点的にお金を投下した方がより意味のある使い方のように思えます。

ある意味正しくはあります。ただ景気の落ち込みに対策を打つには、このような考えは意味がありませんし、無意味どころか害悪でさえ言えると思います。

別のことにもお金を使う必要があるなら、別のことにもただ支出すればいいだけでしょう。

他にもやることがあるからといって定額の給付金を減らしてしまったら、その予算がなくなった分消費が増えなくなるので、結局全体としての消費は増えなくなります。

困っている人には優先的にお金を使えました、でも全体としての消費の落ち込みはカバーしきれませんでした、では意味がありません。

困っている人をどう助けるかどうかだけではなく、全体にどうやってお金を回すかも考えなければいけません。全体の消費の落ち込みを防げなければ、今は普通に生活している人も困っている人の仲間入りしてしまうからです。

また何かに支出する場合であっても、このような事態では税金を財源に使ってしまってはいけません。何かをするために税を使ってしまうと、税を取られた分景気が落ち込んでしまうからです。

こういう時には国債を使えばよいのです。

これを言うと「借金を将来世代に押し付けるのか!」と言われそうですが、政府は永遠に存在する前提なので、借金の返済はいつまでも先送りして利払いだけしておけば済む話です。

実際、政府の借金の総額を減らしている国など先進国にはありません。日本は日本円で借金していますが、借りるお金がなくなってしまうことも基本的にありえません。

政府が借金により赤字支出をすれば、輸出入を無視して考えれば、必ず国内の企業や家計が黒字になります。政府が赤字を増やし続ければ、他の企業や家計の黒字が増えていくので結局国内でぐるぐるお金を回しているだけなのです。

政府の財政運営の考え方は、家計や企業とは違います。家計簿感覚で政府の財政を考えると借金をすることは悪いと考えがちですが、政府財政はそのような物差しで考えるものではないのです。

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