小説

小説

主任さんは早く帰りたい②:後編

「…お前がやれよ」 しまった、つい言ってしまった。この場にいるのが藤野さんだけなら全然いいんだけど、今は斎藤さんが来ている。 さすがに斎藤さんの前ではまずかったか…。いや、さすがにもう限界だ。ダンボール置きっぱなしで帰ってしま...
小説

主任さんは早く帰りたい②:中編

「急ぎましょう」 スーパーに車を停めた私達は、急いで飲料品売り場に向かう。松原さんはカートを持って迷わず進んで行く。私も遅れまいと後に続く。 このスーパーは箱買いもできる。冷えた飲料も並んでいるが、いちいちカゴに入れて精算する...
小説

主任さんは早く帰りたい②:前編

「ああ、もう…」 ハンドルを握る手に、思わず力がこもる。いつもは混む時間じゃないのに、今日に限ってなかなか前に進まない。 「や、大丈夫だよ。このペースなら間に合うって」 助手席から松原水貴が落ち着き払った声で言う。 ...
小説

主任さんは早く帰りたい

「…はあ」 パソコンを前にして、思わずため息が漏れる。もう何回目のため息だろう。 看護師の宮崎さんが洗濯物を持って脱衣場から出てきた。 「宮崎さん、ありがとう。そっち手伝うわ」 「や、ここは1人でいいよ〜。そっちも...
タイトルとURLをコピーしました