離婚ってしないに越したことはないかもしれませんが、やむを得ず離婚に至るケースっていくらでもありますよね。
もともと江戸時代まで、日本人の離婚は多かったようです。結婚、離婚を繰り返す人も多かったようですので、離婚が多くなるのは過去への回帰のような感じがしますね。
ただ、離婚をするにはすごくエネルギーを使います。子供がいて離婚をするとなるとなおさら大変ですので、よく考えて行動していきたいもの。安易な考えで離婚をする人なんて、そうそういるとは思わないですけどね。
というわけで本日の記事は離婚についてです。法律についての専門的な話は、弁護士さんにご相談ください。
慰謝料を支払うのは、悪いことをした配偶者
Twitterを見ていたら「男性は不幸。結婚にはメリットが乏しい。結婚して浮気をされても男性が慰謝料を払わなければならず、養育費を取られる」 という意見がありました。
離婚経験者として、私はそんなことはあり得ないのは知っています。
慰謝料とは落ち度のある方が相手方に支払うものです。
ただ、過去に匿名掲示板に同様の意見が投稿されたり、職場でも似たようなことを言っている人がいました。
試しに検索をかけてみても「離婚の場合、夫が妻に慰謝料を支払わなければならないという誤解をしている人が多い」と解説している記事があったので、一定数このような誤解をしている人がいるのでしょう。
まあ単なる誤解なのですが、この誤解によって誤った判断をする人がいてもいけないので、一応書いておきます。
離婚による慰謝料とは「落ち度のある配偶者(有責配偶者)が、もう一方の配偶者」に対して支払うものです。
夫から妻へ慰謝料が支払われるのは当然のことではありません。
誤解に基づくツイートをしてしまった人が書いているように、妻が浮気をして離婚に至ったとしても、夫が慰謝料を取られるような理不尽なことはあり得ません。
浮気をした妻は「有責配偶者」と解釈されるからです。
夫が浮気をした妻に慰謝料を請求する場合は、法的に相手の落ち度を証明する必要はあるものの、浮気をされたら相手方に慰謝料を請求する権利があります。
また不倫相手に対しても精神的苦痛に対する慰謝料を請求することができますので、相手方の態度が不誠実で話にならない場合は法律の専門家に相談した方が良いと思いますよ。
まあ不倫をする時点で誠実さなんてないと思いますけどね。
不倫をした妻が慰謝料を請求できると思っていたケースもある
過去に匿名掲示板に「夫は妻に対する慰謝料を支払わなければならない」という誤解に基づく投稿があったと指摘しました。
そのケースでは不倫をした妻が夫から離婚を切り出され、何をどう勘違いしたのか自分が慰謝料を請求できると勘違いしていたようです。
そんなむしのいい話があるわけないでしょうが。夫でも妻でも、不貞行為を行えば相手方に慰謝料を請求されても文句は言えません。
相手方が不倫をしている証拠を提示する必要があるとは言え、慰謝料の請求はこの場合当然の権利です。
ついでに言えば不倫をした有責配偶者は相手に離婚を要求することさえできません。まあ不倫をする人なんて、逆に離婚を要求されることになる場合が多いでしょうけど。不貞行為をした人なんて、あくまでも責任を追及される側なんですよ。
妻が離婚を要求されたら、自分は慰謝料をもらえる立場と勘違いして不倫をするのなんて私の価値観では言語道断ですが。なぜそんな勘違いをしてしまうかは理解に苦しみます。
ここまで酷い勘違いではなくても、離婚をよく知らない人がわけのわからないことを言っている例が身近にありました。
知人男性が妻から暴言を受け、妻の親からも酷い侮辱を受けたまりかねて弁護士に依頼をかけました。本格的に離婚協議を行おうとしましたが、相手方も弁護士を立て自分は悪くないと主張してきました。
離婚調停などしかるべき場に申し立てれば、知人は相手方の落ち度を証明する強い証拠を持っていました。しかし長期化は避けられない状況でした。
そんな時その知人男性の同僚は「早く決着を着けたかったらお金を渡して別れたら?慰謝料の相場は300万円でしょ?それを思ったら30万円くらい相手に渡したらいいじゃない。」とアドバイス?したそうです。
これも離婚は夫から妻への慰謝料が当然発生するという勘違いに基づく発言だと思われます。
双方の言い分をよく聞いてみないと確かなことは言えませんが、妻から夫への暴言が繰り返されたのであれば、妻が慰謝料を支払う義務を負います。その男性は妻からの暴言を録音しており、妻は録音されているのも知らずに「私は暴言なんか言っていない」などと言っていたので、しかるべき場で証拠を提示すれば慰謝料を支払う立場になったのは、妻の方でしょう。
知りもしないことに口を出すと、恥をかきますよ。
養育費の支払いは離婚の原因とは別問題
この離婚に関する慰謝料の支払いで違和感を感じる意見がありましたのでそれについて。
相手が不倫などをして離婚した場合は、養育費は支払わなくてもよいという意見がありましたが、養育費の支払いは基本的に離婚の原因とは別問題です。
自分に落ち度がなかったとしても、子供を相手方が引き取ることになった場合は、親の子供に対する責任として子供が成人するまでは養育費を支払うことになります。
協議離婚で離婚する場合、どのように相手方と取り決めを行うかにもよりますが、養育費は子供を保護して適切な養育環境に置くためにある子供の権利です。
もっとも、この養育費が支払われないケースが実際には多いのですが。
養育費は未成年の子供がいる以上、支払わなければなりません。自分はアフィリエイト、副業で高額な収入を得ていると公言しながら、養育費の支払いを適切に行っているか疑わしいケースも目にしますが、もし本当にろくに養育費を支払っていないのであれば不誠実の誹りを免れないでしょう。もっとも、人の家庭のことなど深くは追求できませんが。
いずれにせよ、夫から妻へ慰謝料が支払われるのが当然だなどというのは、あり得ない話です。離婚の割合はひと昔前に比べて増えていますから、勘違いのないようにしたいですね。
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