何も責任を取らないふざけた人が騒いでいる限り、何もよくなることはない

社会

本日はいつもと違う経済の話を書きます。興味のある方だけ読んで頂ければと思います。

消費税の減税は意味がないのか

Twitterで「緊急の経済対策として消費税の減税の話があるが、意味はない。1100円の商品が1000円になったところで、困っている人は買えないからだ」と言っている方がいたので、これについて書きます。

あらかじめ私の立場を言っておくと、消費税の減税に賛成しているわけではありません。

現状では社会保障の支出を増やすために裏付けとしての財源が求められ、消費税が廃止されても社会保障が充実しなくなるだけなので、さして意味がないからです。

また場当たり的に税率を変更すると、取引における契約を見直したり、販売における設備やプログラムを変更せざるを得ないので、社会に混乱がもたらされます。

経済の低迷に対して、何らかの対策を行うことは政府の責務であると思いますが、消費税率の変更はしっかりした議論に基づいて行わなければなりません。

社会的混乱に乗じて消費税率をいじくろう等という態度は姑息にしか見えないのですよ。

それでも敢えて言わせて頂きますが、消費税を下げることは、経済に対するプラスの意味がないとまでは言えません。

普段の買い物で私は1000円とか2000円とかは普通に使います。軽減税率は無視するとして、100円から200円は消費税がなければ浮きます。

それだけの額が浮いてくればどうでしょうか?つもりつもれば相当の額になると思います。

生活に余裕のない家庭ほど、それはありがたいです。

浮いた金は他の消費に回せます。

税金とは実体経済から政府が貨幣を吸収する手段の一つです。

逆に政府の支出は貨幣を経済に提供する手段です。誰かの赤字は別の誰かの黒字なので、政府の赤字は民間企業や個人の黒字となります。

不況で収入が乏しくなる時期は、政府が赤字を出すことを責めてはなりません。政府が赤字を計上することは、収入の乏しい時期において貴重な収入源となるからです。

不況時に民間の経済主体は収入を求めて売り上げを伸ばそうとしますが、そう簡単に売り上げは伸ばせません。そこで手を付けるのが支出の削減です。つまりは節約です。

節約は個人にとっては美徳かもしれませんが、皆が節約してしまったらどうなるでしょう?

「節約は個人にとっては美徳かもしれないが、皆が節約するとどうなるだろう?たとえばある人が飲みに行くのを控えたらその人の家は潤うかもしれないが、皆で飲みに行くのをやめてしまったら居酒屋は全部潰れてしまう」

ということを言った昔の偉い人がいます。

高橋是清という昔の偉人です。この人は足軽の家に生まれましたが後に総理大臣、世界恐慌時の大蔵大臣を務めた経済史上まれにみる本物の偉人です。

個人にとってはよいことでも、皆がやったらよいこととなるとは限らないというこの概念を合成の誤謬といいますが、後にケインズというこれまた世界的に名の知れた偉人が発言したこの概念を先取りして言っていたのが高橋是清です。

この合成の誤謬が生じる時期には、皆が合理的な行動として消費や投資を手控えるがゆえに、大きな経済主体として政府が支出を減らしてはいけないのです。

この高橋是清という賢人が大蔵大臣を務めたことにより、日本は世界に先駆けて世界恐慌の苦境から脱することができました。

この教訓を忘れてはいけません。

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政治や経済の話は「楽しい」ものだろうか

その背景や考え方を念頭に、私は「消費税の廃止は意味がない」論者とやり取りしたのですが、私が想像した以上に不毛なやり取りになってしまいました。

「消費税廃止で1100円が1000円になっても、困っている人は買えない」

私「いや税金が浮いた分は、買う余裕ができるでしょう」

「また上がる時に買い控えが」

私「ということは減税期間内に消費が増えるんですね?」

「一時的には増えますよ」

私「増えると認めましたね?」

「認めてません」

私「」

こんな感じで話にならない。まあいいですけど。

問題はやり取りしている時点で相手方が「あなたとの話は楽しくない」などと言ったことです。

は?

楽しいとか楽しくないとか、何を言っているんですか。

こういう話は聞いているだけで不快になる人だっています。

意見が割れて言い争いになることだってしばしばあるでしょうから。

そんな話題に敢えて口を出せば、人から考えを否定されることだって当然あるでしょう。

楽しくない話になったとしても当然です。この話題は、人の娯楽のためにあるわけではない。

私だってこの話題に口を挟むときには、誰かから否定されたり批判されることを覚悟の上でやっています。

撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ

という世界です。

楽しいとか楽しくないとか、そんな次元で話をする場ではありません。経済政策の是非は一つ間違えたら人が不利益を被るからです。

そんな話に「楽しさ」を求めている人は、私の眼にはふざけているとしか映りません。少なからぬ人がふざけてこの話題に口を挟んでいます。

楽しい話をしたいなら、別の話題でやってくれ。

相手方は普段から政策について人の考えを否定したり批判したりしています。それ自体は別に自由とは思います。

ですが、自分が批判された時に「楽しくない」とか言い出すのはどうなんでしょうか?

これまであなたに批判されてきた人達だって、愉快な思いはしなかったと思いますし、批判されることを覚悟の上で何らかの主張をしてきたと思いますよ。

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まとめ:ふざけた人たちの意見は悲惨な結果を生む

私の持論をさらに言っておきましょう。

ふざけた人たちが世の中多すぎです。

たとえば公共事業が悪みたいな論調で散々批判されてきました。

もともと災害が多く、軟弱地盤や険しい地形の多いこの国で公共事業費が多かったのは当然の帰結です。

ですが「公共事業費が多すぎる!」という批判が多すぎて、この国は公共事業を大幅に抑制してしまった。

その結果何が起きたかと言うと、河川の氾濫などの災害の多発と、老朽化したインフラの放置、いまだに未整備な地方の交通網の放置とそれによる地方経済の疲弊、などの重大な問題です。

これはこの国に現在生きる人たちと将来世代に暗い影を落としています。

「公共事業が多すぎる!」と言って批判していた人たちは何か責任を取ったでしょうか?公共事業の問題を報じていたメディアは、その後我が国のインフラの問題に対して何らかの言及をしたでしょうか?

私から見れば、何もしていないに等しい。これはこの問題で騒いでいた人たちが、ふざけて公共事業を叩いていたからです。

ふざけている人たちに対して、真面目に反論をぶつけても何も変わるわけがない。

今まではメディアでふざけている人が騒いでいるだけだった。今はSNSで個人が好き勝手にふざけ始めた。そういう時代なのだと思います。

ふざけている人がいる限り、何も良くなることはありません。

インフラの問題に関しては書籍を中心に考察、情報収集しています。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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