香川県が青少年のゲーム・インターネットに規制を加えようとしてずいぶん揉めていますね。
Twitterの意見では圧倒的に否定的意見が多いです。否定的意見の代表例は
・家庭でインターネットに触れる時間は、行政などの公権力に介入させるべきではない。時間規制はあくまでも家庭の判断で親子でしっかり話し合って決めるべきだ。
・子供のうちにゲームの利用時間に規制をかけたところで、大人になってからゲームにのめり込むようになる可能性があり意味がない。
・ゲームの利用時間を制限したところでその分子供が勉強するわけではない。
・今回の条例はゲームなどのコンテンツの質に踏み込んで規制しようとしており、表現の自由の侵害である。
などでしょうか。
これについてはTwitterに参考になる意見がたくさん投稿されているので、今回はいくつか参考になりそうなツイートを拾っていきます。
ゲーム依存症として取り上げられた事例が、時間規制の有無に関係ないものだった
両親が離婚して長時間ゲームに耽るようになったとか、発達障害で人間関係が上手くいかずゲームに依存するようになったとか、それってゲームとは関係ないですよね。
背後の要因にアプローチしていかなければ解決が難しい問題で、一律にゲーム時間を規制して解決する性格の問題ではないようです。
全ての事例に手厚いケアを提供するのは不可能としても、こういう事例があるからゲームを規制するのは発想の飛躍ではないでしょうか?
子供の頃はゲーム利用時間に上限額あったが、大人になってからのめり込んだ事例
先ほどのツイートの続きですが、参考事例では堅実な家庭で子供の頃はゲームの時間上限があったが、大人になってからタガが外れてしまった例があげられています。
結局大人になってからゲーム依存になってしまうのなら、中高生のゲーム時間に規制をかけても、意味がないですよね。
ゲームの時間を制限しても、勉強するとは限らない
ゲームの利用を認めても、子供の成績が悪くなるとは限らず、むしろゲームを利用時間を家庭の取り決めで決めた上で子供にやらせていれば、成績への悪影響はないという研究結果があるようです。
出展は上記のツイートの中にあります。
この研究がどれ程正確なものかはわかりませんが、条例による時間規制を強引にかけるよりは家庭でのルール設定を正しく行うよう啓発に取り組んだ方が効果があるのではないか?と思います。
規制は表現の自由を侵害するのではないか?
条例はゲームの時間を制限するのみではなく、提供されるコンテンツの自主規制につながりかねない内容になっています。
日本には表現の自由があります。表現の内容に規制を安易にかけたら、表現する側の萎縮に繋がります。規制をかけていい表現と規制されない表現の線引きは誰がするのでしょうか?
安易に表現の自由を侵害する条例は通すべきではないと思います。
まとめ:ゲーム依存症は確かに問題だけれども
ゲーム依存症が青少年の発育に悪影響を与えるという論点は充分わかります。
ですが、それは医療や福祉で対応する必要があるのではないでしょうか?上で挙げた発達障害でゲームにのめり込んだ事例とかは典型例ですよね。時間規制で対応するべきではない。
昔「ゲーム脳」という言葉がありましたよね。ゲームをしていると脳機能が低下するというやつです。これは提唱者が作った簡易脳波形でゲームをしている被験者の脳波を測定すると、認知症の人の脳波の波形とそっくりだったというものですが、そもそもこの簡易脳波形が実際の脳の機能に対応していないものだったということで、この「ゲーム脳」説は単なる間違いだったと『子供を守るために知っておきたいこと』という本で触れられています。
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子育てや教育に「正解」を求めるのは難しい。ですが、今回のゲーム規制案は突っ込みどころ満載だったのではないかなと思います。
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