ケアマネの社会資源開発について・2

介護

皆さんこんにちは。雪乃です。

引き続き社会資源について意見を述べたいと思います。

ケアマネ知識における社会資源

前回の記事では説明が足りていなかった部分ですが、実はケアマネ更新研修テキストにも「社会資源とは、社会的要求や問題解決のために利用することができる制度、施設、人、物、資金、情報など、人的・物的資源の総称です」と書かれています。

介護保険サービスもそれ以外のサービスも関係ない。要はあらゆるものが社会資源と言えるのですが…

ケアマネ研修・更新研修を受ける中でこう説明されます。

研修講師
研修講師

ケースを担当していて介護保険のサービスを調整するだけでは対応しきれない場合もあると思います。その時は地域の社会資源を活用しましょう

という風に社会資源の活用を習うのです。

なのでこれを聞いて

そうか、社会資源とは介護保険のサービス以外のことを言うんだな

と思ってしまうケアマネがたくさんいるのではないかと思います(個人の体感ですが)。

確かに配食弁当とか、ボランティアとか、ふれあいサロンとか、認知症サポーターとかも社会資源なのですが…

それはあくまでもインフォーマル社会資源というだけであって、フォーマルな社会資源(訪問介護やデイサービスなどの介護保険内のサービス)もあると頭に入れておかないといけません。

社会資源開発の必要性

ケアマネには社会資源開発が求められていると前回記事で書きました。

前項のような理解をしているケアマネがいるため、社会資源開発とは介護保険以外の、例えばボランティア活動などを発足させることだと認識している方がいるかと思います。

ですが、介護保険で位置づけられたサービスも社会資源であるため、以下のような発想も可能なはずです。

ケアマネ
ケアマネ

うちの地域では管理栄養士が在宅を訪問する居宅療養管理指導があまり行われていない…。地域で栄養ケアへの関心をもっと高められないだろうか?

このように考え、ケアマネのネットワーク研修(今はコロナの影響で難しいですが、地域ごとに研修の機会は設けられているはず)で意見交換したり、包括支援センターと協力して事例検討会を提案したり、できることがあると思います。

特に管理栄養士による居宅療養管理指導が地域資源の量で不足していることが多いと考え例に挙げさせて頂きましたが…。

地域によっては言語聴覚士(ST)による訪問リハビリテーションや夜間対応型訪問介護など、介護保険サービスの中でも足りていない資源があるかもしれません。

社会資源に対する認識を改めるだけで変わってくるかと思いますが。

『開発』とは立ち上げ?

また、社会資源『開発』ということでハードルを高く考え過ぎているケアマネがいることを承知しています。

また

ケアマネ
ケアマネ

社会資源の開発だなんて、それは行政が音頭をとってやることじゃないのか?ケアマネの報酬につながらないのに、なぜ自分たちが動かなければならない?

と、思う人がいることも承知しています。

しかし、ボランティア等の社会資源を行政主導で立ち上げるにしても、どのような地域のニーズがあるのかを把握するところから始めなければなりません。

ベテランケアマネになると行政が立ち上げた地域の会議に参加することもありますし、そうした場で地域のニーズの共有につながれば開発の端緒となるのではないでしょうか?

そこまで行かなくとも、包括支援センターによる地域ケア会議などで意見を交わしていれば、地域課題の共有ができるかもしれません。

ケアマネ研修テキストを読み返してみたのですが、どこにも事業を立ち上げることが社会資源開発だなんて書いていません。

せいぜい地域ケア会議などで政策『提言』をするくらいしか触れられていません。

ケアマネ
ケアマネ

地域ではこういうサービスが足りてないのですが

と伝えるだけでも充分なのではないでしょうか。課題の把握がなければ開発は始まりません。

1から10までやらないといけないと思ってしまうから「そんな大層なことはできない。開発は行政の仕事だ」という発想になるのだと思います。


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