「どうして病気になったの?」と聞く人に思うこと

こんにちは。いつもありがとうございます。

先日、以前お世話になった方が治療不可能な難病になったという話を知る機会がありました。

その方は私が通っていた専門学校に講師として招かれて、生徒たちを相手に朝から晩まで熱心に教えてくださいました。

朝の9時から授業を始め、昼休憩をはさみ夜の8時までそれはもうガッツリと授業をしてくださいました。

生徒は午前クラスと午後クラスに別れていたので、生徒側からすれば授業を受けれた時間は半分です。授業を聞いていた方はクタクタだったのですが、先生は終始高いテンションのままでした。

そんな感じで生徒からも人気の高い先生でしたが、今はALSという難病に侵されているそうです。

ALSは運動神経が動かなくなっていく病気で、発症してからものの数年で寝たきりになってしまいます。呼吸する筋肉も動かなくなってしまいますので、人工呼吸器の装着を余儀なくされます。

進行を遅らせる薬はありますが、根本的な治療法は確立されていません。食べる筋肉が衰えたら胃瘻を増設し、呼吸する筋肉が衰えたら人工呼吸器を装着するしかないのです。

なぜその病気が発症するのかもはっきりわかっていません。原因は不明です。

…なのですが、なぜその病気になったのですか?という質問をされる方がいらっしゃると聞きました。

原因は不明なのでわかりませんとしか答えようがないと思いますが…、なぜそうなったのかはご本人にもわからないでしょう。

まだALSという病気の認知度は高くないので単純な疑問として聞かれるのでしょう。

個人的な疑問を解消したいという動機はわからなくもない。ですが、病気になったご本人も当惑しているのではないでしょうか?

そういった質問をされて、ご本人も原因はわからないと答えていらっしゃるようですが、ここで個人的な意見を挟みます。

病気になった方に「なぜその病気になったのですか?」と問いかけることは、当事者にとって辛いことではないでしょうか。

原因がはっきりしない病気だっていくらでもありますし、病気になった本人にも原因がわからず、悩んでいらっしゃることだってあると思うのです。

病気になった方を励ましたいと思って「早く良くなってくださいね」「しっかり治してくださいね」と言う言葉をかける方もいらっしゃいます。そういった善意の声を否定するつもりはありません。

ですが、原因もわからない、根本的な治療法がなく対症療法的なことしかできない病気だって世の中にはあるわけですから…。

とても人気のある方だったので、世間からの関心が高いことは重々承知しております。しかし敢えて言うならば、安易な励ましではなく、その方の生き方をそっと見守る方法だってあるのではないのかな…そう思います。

この件についてあまり長々と申し上げるつもりはございません。「お大事にしてくださいね」という言葉を送りたいと思います。

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