【介護】ムセなく美味しく食べられるために働く人たち

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雪乃
雪乃

いつもありがとうございます。加齢や病気によって食べる機能が低下した人が、できるだけ栄養を摂ったり、美味しく食事ができるようになるために、医療介護の現場では多くの人たちが働いています。今回はその方たちの取り組みなどをご紹介できればと思います。

摂食・嚥下のケアに関わる人たち

医療介護の現場では、食べる機能が低下した人たちと接する機会が多くなります。

加齢や病気などによってものを食べるという能力は低下しやすくなりますし、障害などで子供でも口から食べることが難しいということはあり得ます。

現場では食べる機能が低下した人が、その機能を改善させたり、その状態でも安全に、楽しく食事を摂る事をサポートしています。

摂食・嚥下をサポートする代表的な職種は以下のようなものがあります。

・医師:病気の診断、治療など健康面でのサポート。脳血管疾患の急性期や誤嚥性肺炎、パーキンソン病、ALSなどの神経難病にも、検査や機能訓練の指示を行います。

・看護師:安全な食事の仕方などをアドバイスする。食べる様子を確認したり、摂食嚥下障害看護認定看護師など、専門的な知識に長けた看護師もいます。

・歯科医師、歯科衛生師:入れ歯の作成や、口腔ケアによって口腔内の環境をサポートします。

・管理栄養士:栄養状態の評価や、食べやすい食事の加工などのサポートをします。栄養状態が悪いと、食べる筋肉も落ちてしまうので病気の管理においては重要です。

・言語聴覚士、理学療法士:食べる機能を維持回復させる訓練をサポートします。嚥下や呼吸に関する筋肉を鍛えたり使い方を指導することで誤嚥性肺炎の予防にもつながります。

・作業療法士:補助器具などを用いて、食べる機能をサポートします。

他にも現場の介護福祉士やケアマネジャーなど、介護現場では様々な人たちがケアに関わっています。

食材加工などの最近の取り組み

少し以前の本ですが『摂食・嚥下障害ケア』の本の中で食材加工の取り組みが紹介されていました。

食材を冷凍し、解凍後に酵素を食材の内部に浸透させることで、食材全体を柔らかくする「凍結含浸法」という技術が開発されているそうです。野菜を加工すると肉類の加工品より食べやすいようです。

ミキサー食であれば食べられる方であれば、この食事加工技術が使われた食材を食べられる可能性が高いとのことです。ミキサーで安全な食事を行うことももちろん重要なことですが、食材の見た目を損なわず、工夫によって食事の選択肢が増えることもまた重要ではないかと思います。

栄養を摂取する重要性

他にも、栄養摂取の観点も重要です。サルコペニアという言葉が最近使われるようになってきました。筋肉減少症とも言います。

食べることには複数の筋肉が関わっていますが、全身の筋肉が減少している人は必然的に食べる筋肉も減っている可能性が高いとのことです。サルコペニアの人はそうでない人より誤嚥性肺炎のリスクが有意に高い(約4倍)とのことです。

加齢や、活動量の低下、低栄養など、様々な要因で筋肉が減っていきます。活動をしても栄養が不足していれば充分な効果が得られませんし、あらゆる観点からのケアが重要です。

食べ方を工夫したり、栄養面を考えたり、実際の嚥下機能を評価したり、ケアの現場では様々な取り組みがなされています。食材加工の技術開発など、現場の外でもそれは同じです。

好きなものを食べていればむせないという俗説もあるようですが、喉に入るものであればむせたり窒息する可能性はあります。

好きなものを食べることは意欲を維持するために重要ですし、実際に少しは嚥下しやすいようですが「好きなものを食べさせていればいいのだ」という考え方になってしまうようでは感心しません。

地道な取り組みがあらゆる場で行われているのですから、安易な俗説には乗っからないことが大事ではないかと思います。

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