いつもありがとうございます。本日は介護職と利用者さんの関係性について書きたいと思います。
利用者さんは友達ではありません
4月から介護の仕事を始めた超大型新人様が
介護の仕事を始めて、利用者さんとどんどん仲良くなれています。もっと仲良くなりたい!僕が実践している利用者さんと仲良くなる方法を紹介します!
と述べておられました。
結論から言って、利用者さんと仲良くなろうとする発想自体が間違っていると思います。
介護職は、仕事で利用者さんと関わっているのであって、利用者さんは仲良くなる対象ではありません。
介護職はその専門性を活かして、入浴介助や排泄介助などの身体介護を高いレベルで提供することや、介護保険制度の枠組みの中で生活援助などのサービスを提供し、生活をサポートすることです。
コミュニケーション技術は確かに専門技能の一つとして、軽視はできないものです。
利用者さんや仕事仲間と円滑にコミュニケーションを取る技術が求められています。
しかし、それはあくまで円滑に業務をこなしていくために必要な技能であって、利用者さんと仲良くなるためのものではありません。
「仲良く」がおしつけになりかねない
介護職は専門職として、介護サービスを利用している方と公平な接し方をしないといけません。
仲の良さを介護に持ち込むということは、仕事に私情を挟んでいるということになってしまいます。
人と人との関わりあいですから、相手によっては良い関係性を構築できない場合もあります。気難しく、人との関わりを拒絶する方もいらっしゃいます。
実際に介護の現場で「利用者さんに寄り添う」とか「利用者さんのために」と言いつつ、仲のよさを重視する人もいるのですが、仲良くなることを目的化している介護職がこういう言葉を使い始めるのは非常に危ういと思います。
元来の性格であれ、人生歴であれ、人とあまり関わりたくないという方がいらっしゃたら、その気持ちを尊重するのも一つの関わり方だと思います。
超大型新人様はブログで利用者さんと仲良くなることが素晴らしいことでか、自分がその関係から多くを得ているか、と言うことを述べておられますが、そのようなことを本心から書いているのであれば、自分の理想の人間関係を相手に押し付けているように見えてしまいます。
また、介護に限らず人にサービスを提供する業種の人にままあるのですが、「人のために働く自分が好き」な方もいます。
こういう人は利用者様のため、お客様のためといいながらあくまでも「人のために働く自分」が好きなだけなので、口では人のためと言いながら自分の満足感を得ることしか考えていないかのような行動をとります。
私の数少ない人生経験でいえば、そういう人は地味な仕事を他者に押し付けたり、自分と相性の合わない方に対しては特に見下すような言動が見られたので、こういう手合いにいい印象は持てないです。
もっとも、アフィリエイトの収益目的で思ってもいないことを書いて集客しようとしているのであれば、単にそれは戦略に過ぎないということでしょう。そこまでするような人だとは思いたくないのですが・・・
上で述べていることですが、仲の良さを仕事に持ち込むことは介護に私情を挟んでいることになります。
仲の良さばかり追求していると、仲が良い方には丁寧なサービスを提供するが仲良くなれない方には雑なサービスを提供してしまうということにもなりかねないのではないでしょうか?
また好かれたいがばかりに相手に依存されてしまう関係にもなりかねないのではないでしょうか?
仕事なのですから、相手とは適切な距離感が必要です。
「寄り添う」という言葉は実に曖昧
人との関係性についての言葉に「相手に寄り添う」という言葉があります。
温かみのある言葉でなんとも耳障りが良い。だからか、介護や医療の現場でも使われていることがあるようです。
しかしこの言葉を聞くにつけ私は
いや、寄り添うって具体的に何をするの?
と思ってしまいます。
別にこの言葉が悪いとか言っているのではありません。曖昧だとか言われたらそうですが、まあ曖昧には曖昧の良さがあると思っています。
ただ、どこぞのキラキラした介護職にキラキラした介護の個人的理念を述べられたあげく「利用者さんに寄り添うことが大切だ」とか言われた日にはついその人を冷めた目で見てしまう。
別に「寄り添う」という言葉を介護に無理に使う必要はないかなと思います。
介護の仕事は、人の生活を支えることです。
訪問介護の仕事や施設での介護でも、介護職が仕事をすることで相手の生活を支えることになっているはずです。
なので目の前の仕事を淡々とこなすだけでもある意味利用者さんに寄り添っていることになるのではないでしょうか?
訪問介護のヘルパーさんが、利用者さんのお宅に訪問して調理をするとかは普通のことです。しかしその普通に価値があるのだからそれで良いのではないでしょうか?
利用者さんにべったりと接して、相手の言う言葉をしっかり受け止めるとかを「寄り添い」だとして持ち上げるような認識が一部にあるのかもしれません。
ですが、まずは仕事として普通に与えられた仕事をこなしていくことに価値があると思ってよいかと思います。気持ちは大事でしょうが、特別なことをする必要はないと認識しています。
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