介護施設だって営業したい、でも・・

介護
雪乃
雪乃

いつもありがとうございます。医療崩壊が危惧されていますが、介護現場の疲弊も報道されるようになってきました。

介護施設の休業の影響について

外出自粛要請があちこちで出されているので、出勤を調整して自宅で仕事をしている人も増えているようです。

なぜかスーパーなどで家族で買い物に来ている人を見ると何か腑に落ちない物を感じるのですが・・・。(家族の代表1人で買い物にくればいいのに。)子供を家に置いて出かけられない家庭などもあるでしょうし、子連れの買い物はわかるのですが。

自分を守るため、家族を守るため、周囲の人に感染を広げないために、テレワークができるのだったらそれにこしたことはないと思います。

もっとも、介護の仕事ではテレワークの導入は難しいですよね。

訪問介護のヘルパーさんは、利用者さんと直接接しなければ成り立たない仕事です。

オムツ交換のためヘルパーが入っているのであれば、利用者さんと接することは不可避です。入浴介助でも着替えの介助食事の介助でも同じ。一人暮らしの方に調理で入るのも、掃除に入るのもサービスの量を減らすことはできるかもしれませんが、無くすことはできないでしょう。

デイサービスだって、高齢者の在宅生活を支援するためになくてはならない存在です。今、多くの事業所では利用者さんの受け入れを制限したり、やむをえず営業を縮小・休止したりしています。

デイサービスやデイケアという通所系の施設では、高齢者に社会参加の機会を作ったり、在宅介護の負担を減らしたり、自宅では難しい入浴のサービスを提供したり、在宅介護では重要な役割を担っています。

デイサービスやデイケアに行くことによって、活動不足を回避して身体機能を保っている方も多くいらっしゃるかと思います。

今起こっているのはこの通所系の施設での休業などです。今日のテレビ番組では、デイサービスに行く回数が減って、筋力が低下してしまったという方が紹介されていました。認知機能も低下しているように見受けられるそうですが、施設を利用して人との触れ合いを持つ機会が減ってしまったために一時的に気力が減ってしまっただけの可能性もあります。そうだと良いのですが。

なぜ休業が増えているのか

なぜ休業が増えているかについては、地域差もあると思います。

私の周囲の観測で言えば、スタッフの確保が難しいという事情で営業を縮小しているところもありました。

スタッフがシングルマザーで家庭を支えているが、学校が休校なので限られた時間しか出勤できないという人もいました。

保育園に子供を預けている方で、保育園もスタッフが足りなくて子供を受け入れることも難しく、また預けることで集団感染のリスクが怖いという人もいました。

また、介護施設で働いていることで自分が感染し、家族や周囲に感染を広めてしまうのが怖いという方もおられました。

パートの職員さんとして働いている方もこの業界には多いのですが、そういう声を聞くと私はその方たちを責めたりはできません。

施設側の事情としては、定員いっぱいまで利用者さんを受け入れてしまうと、どうしても密集が生じてしまうので、一日あたりの利用者さんを制限せざるを得ないというのもあります。

また利用者さんサイドの事情としては、今は通所系施設を利用するのが怖いという思いから、利用を自粛されている場合もあります。これは施設の収益の悪化と言う形で影響が尾をひきそうですね。

そして受け入れている利用者さんやスタッフの感染がもし発生したら、風評被害にあうのではないかという懸念もあるでしょう。

すでに多くのデイサービスの事業所から「利用前に検温して頂き、発熱があった場合は利用をお控えください」という通知が送られてきています。というかほとんどがそうです。

他に報道では「早期収束に協力したいので、自主的に営業を休止する判断をした」という声も聞かれます。そうすると収益も入らないのでまさに苦渋の決断ですね。

働いている側、事業を運営している側、利用している側、いろんな声を聞いているとなんだかしんどくなってしまいました。

それでも、私は訪問にかける時間を減らしながら仕事に行き続けています。スタッフの密集を避けて席の配置を変更したり、休憩場所を分散したり、事務所のある建物への入館を制限しながら、営業は続いています。

ケアマネジャーがまったく仕事をしないとなると、介護保険を利用している方へのサービス調整がストップしてしまいますし、緊急事態が発生した時に対応できる人がいません。

ただ、利用者さんと直接接する時間は限られているので、最前線で働いている人に比べると、感染のリスクはすくないだろうなとも思います。

ただ、いろんな立場の方の声を聞いているとすごく複雑な想いです。介護に関わっている人がそれぞれの立場で悩まれているのがなんだか辛いです。

せめて感染症対策が十分にとれるようにしてほしい

介護に関わっている方もそうでない方も、今回とても困っていらっしゃるのがわかります。

お仕事がお休みになっておられる方もいますし、飲食店でも営業の自粛をせざるを得なかったり、観光客が減ってしまって困っている地域もあると思います。

医療も疲弊しているし、販売店も疲弊しているし、物流も疲弊しています。行政もてんやわんやだと思います。

いろんな業種からの悲鳴が聞こえてきそうですが、とりあえず介護の現場としてはマスクや消毒液をちゃんと確保できるようにしたいです。

使い捨て手袋もないと困ります。以前の記事で外出の際に手袋を着用するべきだと不用意に発言しておられた方を批判しました。

現場で働く人がちゃんと感染防御策を取れるように、不必要な手袋の購入は控えて頂きたいと思います。

https://yashirok.xsrv.jp/archives/596

メディアの方も安易に煽らないでいただきたいです。

マスクは医療機関に優先的にN95マスクやサージカルマスクが供給されるよう、国が手配をしてくれているそうです。介護従事者への布マスクの配布も行われました。

やはり、こうした国民の健康に関わる重要な物資の生産、そしてそのサプライチェーンは、しっかりと国内で確保しておかなければならない。そう痛感しております。その危機感の下に、今回の緊急経済対策では、国内回帰を促すため、設備投資への補助率を大幅にアップし大胆な予算措置を講じることといたしました。中には、生産の能力を増大し過ぎると過剰になってしまい、売れ残ったらどうしようと心配しておられる事業者の方もおられるかもしれませんが、万が一、売れ残るようなことがあれば、国が備蓄用としてしっかりと買上げを行います。そのための予算も今回の緊急経済対策に盛り込みましたので、どうか御安心いただきまして思い切った増産を行っていただきたいと、お願い申し上げます。これまでの対応も含めて、合計で、医療防護具などを確保するための対策として、2,500億円規模の予算を用意するとともに、必要とあらば予備費もためらうことなく投入してまいります。さらに、原材料確保への支援、各種規制の柔軟な運用など、今後あらゆる手を尽くしていく考えであります。

4月15日 首相発言 
出典: https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202004/15kondan.html

それでもまだ医療現場でも医療資源が足りていない。介護の現場にも回ってきていないという現状ですが、政府は動いてはいるようです。おそらく供給能力が確保されなければ、問題は解決しないのでしょう。

自称医療従事者が「医療機関にマスクが足りていないのに、何もしない!国民に布マスクだと?怒れ!」と憎悪を煽り立てるnoteの記事を書いていました。

そういう怒りを煽るだけの記事は、私は要らないです。

政府を批判したければすればいい。ですが布マスクだけに注目させ、いま政府が取り組んでいることを無視して憎悪だけを煽る記事は何も意味がないと思います。

政府を批判する点があるとすれば、国民1人あたり10万円を給付する動きが遅かったことと、まだまだ額が足りないことでしょうか。

政府や地方自治体は、これだけの支援策を用意しています。大阪独自の策も含まれていますが、周知されていません。これでは不安ばかりが募るだけだと思います。

介護業界への支援ももっと手厚くしてほしい

経営体力のない介護事業所は特に苦境に立たされていると思います。

今回の危機で廃業する事業所が増えてしまったら、介護サービスの空白地帯が生じてしまう可能性があります。今でも一時的な事業の縮小で、状態の悪くなっている高齢者が増えていることは、もう少し危機感を持たないとますいのではないかと思います。

在宅勤務ができる業種でもなく、毎日現場に赴いて仕事をして、しかもマスクの確保すらままならないのでは職員にとって大きなストレスになります。

今後も人手や事業所の収益を確保できるように、介護報酬の単価を上げる等の措置はしていただきたいです。

介護保険の事業の恩恵は一部の限られた人が受けるのではなく、家族介護の負担軽減や雇用の受け皿など、社会的に広く及ぶものなのですから、介護崩壊とならぬよう対策をしてほしいものです。

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