皆さんこんにちは。
本日はケアマネジャーによる社会資源の開発について述べたいと思います。
社会資源とは
社会資源とは:利用者がニーズを充足するために利用できるあらゆるサービスや専門職、関係機関、組織などのことです。
社会福祉士の資格テキストについてはこう触れられているのですが…
ケアマネ研修テキストなどを読むと、なぜか介護保険サービス以外に利用できるインフォーマルサービスだけが社会資源であるかのように思ってしまいます。
私個人の理解ですが、例えば高齢者が疾病などにより生活に不自由が生じて要介護状態になった場合、介護保険を利用するのにケアマネの支援(居宅介護支援)を利用しなければなりません。
自宅で入浴するのが難しいなら通所介護(デイサービス)を、買物に困って代行してもらうなら訪問介護(ヘルパー)を利用します。
この場合、ケアマネ、通所介護、訪問介護などが利用者のニーズを充足するために使われているので、これら関わっている全ては社会資源だと思うのですが…
ケアマネの研修テキストで触れられている社会資源とは地域のボランティアなど介護保険として整備されている以外のサービスに限定されているかのようで、他のケアマネから
訪問歯科が社会資源?訪問歯科は居宅療養指導(介護保険サービス)なので社会資源じゃないよ
みたいな説明をされてえええ??となります。利用者のニーズを充足するために動いているのだから訪問歯科も社会資源じゃんね…
例えば地域のケアマネも、通所介護、訪問介護の事業所、そこに属する専門性を持つ職員のひとりひとりが社会資源じゃないの?と私は思うのですが、どうもそこに齟齬があることが多いのですね。
社会資源の開発
で、主任ケアマネとかになると「社会資源を開発するのがケアマネの役割の1つ」と研修で習います。
多くのケアマネが「研修でそう習うけど、社会資源の開発っていったい何をやっていいのやら…」と思ってしまうようです。
多くのウェブサイトを検索で調べましたが、ケアマネの社会資源開発について明確に述べているサイトはほぼ皆無といった状態です。
経験豊富な主任ケアマネなら行政とも連携が取れるだろうから、行政に働きかけて新しいインフォーマル(介護保険外)のサービスを成立させろ、とでも言わんばかりですね。
できないことではないのでしょうが、明らかにハードルが高いです。
中には
ケアマネが社会資源開発をしろと言うが、じゃあ自腹を切って新しいサービスを提供する事業所を立ち上げろとでも言うのか?
という掲示板の意見を目にしました。それはさすがに無理でしょうが、こういった意見は
・社会資源というものの理解が明確ではない
・『開発』という言葉の理解も明確ではない
事から生じているのではないかと思っています。
社会資源開発:地域の声を聞く
そんな能書き垂れて、じゃあ社会資源開発はどうやれと言うんだ!と言われそうですが、以下に私の意見を述べます。
例えば地域の商店街が
最近、自力では買物に来れない高齢の人が多いなあ…
ウチの商店街で商品のお届けサービスやってみてはどうだろう?
と思ったとしましょう。
そして商店街の店舗同士で声を掛け合い、お届けサービスの内容をまとめたとします。中にはそのサービスを周知しようという人もいるでしょう。
そして、地域のケアマネ事務所に
うちの商店街で新しいこんなサービスを始めようと思っているのですが…お困りの方はいらっしゃいませんか?
と営業に来られたとしましょう。
ここでその営業に対応したケアマネが
地域でこういう取り組みを考えている人がいるのか…。ならこのサービスを紹介して利用する人が増えれば、困り事の解決につながる事例が増えるかもしれない
と考え、事業所内で他のケアマネに情報共有したり、担当する利用者にそのサービスを提案したりすれば、商店街での商品お届けサービスが地域に根付いていくきっかけを作れるかもしれません。
ケアマネひとりひとりが、地域活動している方の声を拾い、サービスを定着させるきっかけを作れれば、社会資源開発としては御の字だと思います。
先に「ケアマネが事業を立ち上げなければいけないのか」という疑問の声を紹介しましたが、それは『開発』という言葉を狭い意味で捉えすぎているのではないでしょうか。『いちから事業を立ち上げなければ開発ではない』と考えて、そんなだいそれたことできるわけがないと思ってしまっているなら、それはそのケアマネや地域の利用者にとっても不幸なことだと思います。
『開発』という言葉の理解についても完全な私見なのですが、自分に課すハードルがあまりに高いと動くきっかけをも失ってしまいます。
これはケアマネの報酬につながることではないのであまり言うのもアレなのですが、地域のために何ができるか考える必要もあると思います。
「間違ってますよ!」と思われた方はご意見ください。
以上、雪乃でした。次回は介護保険サービスについての社会資源開発についても触れたいと思います。
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