最近NHkでゲーム依存の特集がありました。
一日何時間もゲームに時間を費やす子供たちは生活習慣も崩れますし、学業不振で将来にも悪影響を及ぼします。
韓国ではゲーム依存が社会問題になっているので、子供のアクセスを制限するなどの対策もされています。
ギャンブル依存は日本の深刻な社会問題
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感想(1件)
今回はギャンブル依存の問題を取り扱った本を読んだので、内容をざっくり紹介します。
どこからが依存症とされるのか線引きは難しいと思いますが、厚生労働省が調査した結果では日本にギャンブルがやめたくてもやめられない「病的ギャンブラー」は500万人以上いるとのこと。
圧倒的に男性の割合が高いのですが、日本人の20人に1人はギャンブル依存の傾向があるそうです。
これは諸外国と比較しても突出して高い数字で、ほぼ同じ内容の調査を行ったフランスの調査では1.23%、韓国の調査では0.8%という結果でした。
日本は5倍くらいの割合でギャンブル依存に陥っている人がいます。この差はどこからくるのでしょうか?
これらの病的ギャンブラーは「やめよう」と思ってもやめられないから「病的」と言われるわけで、やめようと思ってやめられる人は病的ではないですね。
たかがギャンブルと思われる人もいるかもしれませんが、ギャンブル依存症は人を破滅させるくらい悪影響が大きいです。
依存症患者の平均負債額は595万円
これはメンタルクリニックでギャンブル依存症にあたっている医師が調査したデータです。
ギャンブル依存症治療の第一人者の医師が診察した患者のデータなので、重度の依存症患者の傾向であることに注意が必要だと思いますが、借金してまでギャンブルをして、ここまで負債を抱えてしまうのはすごいですね。
調査対象者はだいたい20代の頃からギャンブルをはじめ、何年もギャンブルをやめられなかった結果、落ちるところまで落ちて行ってしまうそうです。
中には自己破産をしたり債務を一部免除してもらったりして、なおこれだけ借金しているわけですから、だいたい1000万単位のお金をギャンブルに使っているということになります。
ギャンブル依存症は立派な病気 でも理解はされにくい
人がなぜギャンブルやその他の行為に依存してしまうかというと、対象の行為を行うことで脳内に大量のドーパミンが放出されるからです。
ドーパミンは「快楽」「興奮」「気分の高揚」をもたらしますがこの快感が反復した依存行動を助長します。
2010年、大王製紙の会長が子会社から100億円超の資金を引き出し、ほぼ全額をカジノで使ってしまうという事件が起きました。
この会長は子供の頃から厳しいしつけを受け、めったに親から褒められることがなかったそうです。そういう成育歴があると自分の価値を自分自身で認めることができなくなります。
何かあったら褒められるという経験を積んで育った人は、仕事で成功したりいいことがあった時に適度にドーパミンが出てまた努力を続けることができます。
しかし、自尊心を持てず育ってきた人は慢性的にドーパミンが欠乏した状態になってしまいます。
そういう時にカジノで一発あてると大量にドーパミンが出てやみつきになり、ギャンブルにのめり込んでしまうようになります。
しかし依存症のメカニズムはそれだけではありませんので注意が必要です。
ドーパミンの量や耐性の付き方は個人の資質にもよりますし、周囲との関係など外的な要因も作用します。
しかし、世間のギャンブル依存症患者への風当たりは冷たいのが現状です。
「本人がだらしない」「意思が弱い」と言われがちですが、ギャンブル依存症は立派な病気です。
専門家の力を借りて本人をとことん追い込むこと
ギャンブル依存症の治療は本人に自分が病気であることを自覚させることが治療の第一歩です。
そのために冒頭の書籍では「本人に底をつかせること」が必要とありました。
中途半端に本人が困っていても、本人が病気であることを受け入れようとしない限り治療ははじまりません。
そこでギャンブルによって自分が周囲の信頼も失いこれ以上落ちるところのないところまで持っていくアプローチも必要としています。
もちろんこれはしっかりとした専門家のアドバイスに基づいて行わなければ危険でしょうね。
具体的には「治療を受けなければ、もう家にはいれません」「治療を受けないのなら離婚です」と本人に最終的な選択をさせることです。そして、家族は苦しんでいる本人を安易に助けないこと。これが重要です。
そうして本人が追い込まれたところに専門職のカウンセラーが登場することで、治療のステップに入っていきやすくなるのだそうです。
まとめ
依存症への理解は日本は諸外国に遅れをとっていると言われています。
海外では依存症の治療に薬物が使われたり、自助グループが盛んに活動していたり、そういう意味では依存症対策がよく整備されているのかもしれませんね。
ギャンブルはパチンコやスロットだけでなく、FXなど電子取引が可能なものまで身近なところにあります。競馬の馬券購入も今やネットで簡単にできます。
自分には関係ないと思っていても、思わぬところではまってしまうのが依存症の本当の怖さかもしれませんね。
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