福祉用具は重要です

介護

いつもありがとうございます。

更新の期間が空いてしまいました。最近あったことの感想という事で今日は書いてみます。

最近あったことと言ってもTwitter上のことですが。

仮想通貨だかなんだかわかりませんが、投資家界隈が福祉用具を取り上げて文句を言ってました。

福祉用具貸与で介護保険の適応にならない物を取り上げて高いと言ったり、介護保険の適用で貸与できる手すりを「こんなものに公費を支出するのは無駄遣い」と言ってました。

公費が支出される物とそうでない物をごっちゃにして論じること自体迷惑な話です。

まず、制度についてサラッとまとめましょう。

福祉用具貸与に限らず介護保険のサービスを利用するには、介護保険の利用を申請し、認定を受けなければなりません。

要支援や要介護と認定されると、1割~3割でサービスを利用できます。

福祉用具も介護保険が適用されるサービスなので、貸与や購入を利用することができます。

よくある福祉用具として、ベッド、車いす、手すり、スロープ、歩行器などは貸与で利用できます。

ポータブルトイレ、シャワーチェアなど、排泄や入浴で直接肌に触れるものは貸与の対象とならず、購入となります。

以上、ざっくりとした福祉用具利用の説明となります。

次に、Twitterにあった批判意見がどのようなものだったか少し掘り下げます。

福祉用具は安っぽい?

ある者は、「手すりで貸与される物はニトリかなんかで簡単に買えたり自作できる簡単な物でしかない」と言いました。また有名な投資家のようですが「この手すりは壊れやすい木材で作ってある。高い金を取るなら金属製のちゃんとしたものにするべきだ」とも言っていました。

いや、金属ですけど?

アルミ材質のフレームに樹脂で木目調にコーティングされたものなのですが、区別がつかなかったのでしょう。

また、そういった物がニトリで買えるというのは甚だしい誤解です。シャワーチェアなんかは確かにニトリでも扱っているのですが、背もたれや土台がしっかりしていて安定性が高く、必要であれば肘掛けを付けて筋力の衰えた方でも立ち上がり動作が容易にできる物を選べるのが福祉用具購入のメリットです。ニトリで売っているものとは元が違う。

介護報酬が高すぎる?

それでもなお、値段が気に入らないようです。ある人はベッドの値段を出して来て言いました。

ベッドのレンタルに、業者は月1万円近く受け取るじゃないか!高過ぎじゃないのか!?

という事なのですが、私からは、人が動いている事を理解して欲しい、と言いたい。用は人件費だってかかる。

まず、その人にあったベッドを選ばなければなりません。福祉用具専門相談員が現場を見て、本人を見て、適切な機種選定をします。

設置場所をどうするのか、本人がベッドから立ち上がる時に安定性を重視した介助バーを必要としているのか、背もたれだけじゃなくて足元も可動した方がいいのか、いろんな事情を考慮します。付属品のマットレスだって合わない物を選んだら床ずれが出来てしまう。

機種が決まったら納品します。ベッドを運ぶのですから1人ではできません。パーツ事に分解されていて、現場に運び込んで組み立てをします。引き上げる時はパーツに分解します。そういう構造になっているからあらゆる現場に対応出来る。

一度納品したら終わりではありません。

モーターに不具合があれば事故の元です。異変を感じたら連絡すれば、点検に来てくれます。車いすだったらパンクだってします。そういった費用も含んでこの値段設定になっています。マットレスやベッド本体も本人の状態に応じて変えます。動けなくなって来たら、その時の状態にあったものに交換するのです。

元気になったら福祉用具を利用する必要もなくなります。追加費用なしで引き上げてくれるので助かります。要所要所で人が動く。動いたからと言って追加の費用は取らない。だからこそ福祉用具の業者だってあんまり儲かっているわけではない。

高いから悪いと言うのはコンビニのおでんを見て「こんなもの家で作った方が安い」とわかりきった事を大きな顔で言う原価厨に通じる痛々しさを感じます。

そういうのは買えばいいだろ!とも言われましたが、レンタルの利便性を考えたら貸与の方がいい。買ってしまったら代えはききません。

高いと批判する人が勘違いしていること

制度を理解しようともせず批判している人が勘違いしているのは「福祉用具ばかりにお金を使ったら財政が破綻する!」等、あたかも野放図に福祉用具が介護報酬を膨らませているかのような妄想に陥っていることです。

しかし、自立のための福祉用具です。福祉用具があることで、例えば歩行器を使うことで安全に室内を移動して、レンタルの手すりがトイレについていれば、本人ができることが増える。そうしたらオムツ交換で家族が大変な思いをしたり、訪問介護や訪問看護でオムツ交換のサービスを設定する必要がなくなります。

高さを調節できる福祉用具のベッドであれば、車いすに移乗する際も安楽になりますし、介護者が腰を痛める可能性も低くなります。

ひいては、他のサービスの効率も良くしますし、サービス利用を抑える方向にも動いてくれます。

そうした効用があるから福祉用具貸与は制度として成り立っているわけであって、無駄ではない。批判するならせめて制度を少しは理解しようともして欲しい。

福祉用具の利用を誤ったら転倒事故も発生します。大腿骨頸部骨折でもしようものなら大変です。これを言うと何故か笑われてしまいましたが。

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それではご機嫌よう。


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