税金を無くそう!と極論を言う人に絡まれました

社会

別に確定申告の時期だからというわけではないですが、Twitterをやっていたら税金を無くそうとかいう極論を述べている人に絡まれて延々リプライを送り付けられてしまったので、今日はその話です。

実際は自分から意見したのですけど、その後あまりにもしつこかったので「絡まれた」というタイトルにさせていただきました。

私に絡んできたのはこの人です。どこかで見たことがあるような気もしますが、今日はそのことには触れないでおきましょう。

この人のプロフィールには「平和憲法を守ろう!」と書いてあるのですが、だったら憲法に明記されている納税の義務はどうなんでしょうか?憲法守るんだったら税金なくしたらダメなんじゃないですかね?

確かに働いてお給料をもらったら所得税や住民税、物を買ったら消費税、車を持っていったら自動車税にガソリン税、家を買ったら固定資産税(賃貸マンションでも賃料には固定資産税が上乗せされているようなもの)、いろいろなところで税金は取られています。

取られるばっかりでそれが自分たちのためにちっとも使われていないとしたらそれって腹立ちますよね?

でも実際は、私たちは自分が払った以上の行政サービスを受けているケースがとても多いです。年収が1000万円を超えるような高所得者ならともかく、4、500万円程度の年収であれば政府や自治体から受けているサービスの恩恵の方が大きいと言えるでしょう。

自分は生れてこの方1度も役所の世話になんかなったことがない!という人が稀にいます。でもそんなことはあり得ません。私たちは生れる前から死んだ後まで役所の世話になっています。

母親のお腹の中にいる時から妊婦検診を受けていますし、出産されたら給付金、子育て支援、予防接種、〇歳検診、就学援助、義務教育等々、大人になるまで様々な支援を行政から受けています。

普通に生活していても税金で整備された道路の上を歩きますし、普段口に入れる食材だって道路の上を運ばれてこなければ私たちの口に届きません。

普段から警察官が仕事をしてくれているから治安が守られています。消防車や救急車だっていざとなればかけつけてくれます。

飲食店だって杜撰な衛生管理をする店ばっかりだったら安心して入れないでしょう。保健所が私たちの健康を守るために見えないところで働いてくれています。公衆衛生研究所だって多くの自治体で整備されていますし、図書館や体育館が整備されているから国民の文化レベルや健康が保たれているでしょう。

役所で働いている公務員を馬鹿にする人がいますが、役所は住民票の発行や届け出の受付だけではなくて、介護保険の管理や都市計画、災害対策だってやってます。法律を作ったり、外交を行ったり、予算を組んだりするのはとても難しい仕事です。優秀な人材だって必要です。褒められたものではないですが公務員だってサービス残業をしています。

日本の公務員の数はそもそも先進国の中で少ない方ですが、それでも公務員がちゃんと仕事をしてくれているから世の中成り立っているんですよ。

過労死しそうな勢いでお仕事している官僚さんもいらっしゃいます。よく問題にならないなぁ・・

道路工事とかで無駄なことに税金が使われているんじゃないの?

身近な税金の使われ方として、道路工事があります。実際は税金以外で国債などでお金が調達されているのですが、複雑になるのでここでは触れません。

よく「道路工事で同じところを何度も掘り返している!」「予算使い切りのために無駄な工事をやっている!」という文句を言っている人がいますが、こういう誤解がほったらかしだから税金の無駄遣いがよく行われていると皆に思われているでしょうね。

確かに道路工事では同じところを何度も掘り返します。道路は一度作ったらそれで終わりではありません。大型トラックがよく通るような道ではどんどん舗装が痛んできます。ダメになったら舗装しなおさないといけません。

でもやみくもに道路工事をするわけにはいきません。舗装してすぐ後に地中に埋まっている水道管を直さないといけないからといってまた掘り返すと無駄になりますよね。

なので道路工事を計画する時には、地中の水道管、ガス管、回線ケーブル等の修繕が必要かどうか、役所が関係企業にお伺いをたてます。そしてなるべく一度に掘り返し工事を進めようと努力をしています。

そして実際にガス管、水道管、ケーブルの工事を行おうとしても一度に全部できるわけではありません。それぞれ埋まっている深さが違うので、使う重機も違います。水道管を修理しようとしてガス管を破壊してしまったら、損害の責任を誰が取るのかの責任問題になりますし、複数の企業の関係者が現場に立っていたら効率が悪いだけです。

なので道路工事の時期をずらしながら、水道管を直して仮舗装して、次はガス管を直して仮舗装して、と何度も掘り返しが行われます。いろいろ考えた結果一番効率がいい方法がこれなんです。

同じところをすぐ掘り返したりするのはこれが原因です。無駄な工事をやっているわけではなく、効率を追求したらどうしてもこのやり方になるのです。

この人は極端な例ですが、同じところの掘り返しを道路工事批判に使っている人は多いですね。自治体のホームページを検索するとこれに対する反論はすぐ出てきますが、それくらいしてから道路について語って欲しいものです。

道は人が歩くからできるなどとも言っていますが、日本でも昔から道路整備は権力者が行ってきたもので、ましてや現代のように複雑な社会になると地権者との調整や都市計画の兼ね合いで行政が主導をとらないと整備は絶対にできないと思いますが・・

そういう複雑なことは考えられないんでしょうね・・

税金をなくしたらみんな幸せになるの?

確かに税金は無駄な使われ方をすることだってあるかもしれません。ですが、税金を徴収することで社会が維持できているのは誰にも否定ができないと思います。税金のシステムの悪いところだけ見て「ここがダメだからなくしてしまおう」とやってしまうのは子供の思想です。

こういう人は税金を徴収できる力を持った存在がいること自体が気に入らないのだと思います。

ですが、稼いでいる人から税金を取るシステムがあるからこそ世の中が回っているのであって、まっとうな思考ができるなら現状の問題点を改善して少しでもいい方向にもっていこうとなるはずです。

極論ばかり言って税金を無くしてしまったら、お金のある人の思い通りの世の中で貧しい人は野垂れ死にの社会になってしまいますよ。権力に強制されなければ、社会のために自分のお金を使おうという奇特な人なんてほんの一握りしかいませんからね。

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極論というか陰謀論に近い意見の持ち主に絡まれてしまいましたが、そんなに税金や政府が嫌いなんですかね。

こちらも極論で返せば、そこまで言う人は無人島にでも行って好きなように生活したらいいのに、と思ってしまいます。

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