いつもありがとうございます。本日中にも緊急事態宣言がなされるとのことですが、自粛をしながらつとめて冷静に行動したいと思います。
お笑いトリオの森三中の黒沢さんが、感染症のウイルスに感染していたことが報道されました。
お見舞い申し上げます。
大島氏の夫の鈴木おさむ氏、黒沢さんの感染の経緯を話す
報道で回っている情報によると、黒沢さんに発熱などの症状が表れたのは3月21日。その後回復したとのことです。
しかし、味覚異常などの症状が残っていたため、保健所に相談。
複数の医療機関を受診した上で4月1日にCT検査を受ける。そこで肺炎と診断され、改めてPCR検査を受けたところ3日には陽性が確認されたとのことです。
森三中の大島さんの夫である鈴木氏ですが、この件についてTwitterで投稿しました。
黒沢さんは26日から自宅待機をしていたとのことです。
この感染症は罹患しても軽度で回復する人が多いことが知られています。現時点では特別な治療法はないので、軽症なら自宅で療養するしかありません。
医療機関も軽症の人にまでわざわざ検査をしている余裕もありません。保健所や衛生研究所の負担も平時に比べて激増しています。
病院に行っても検査をしてくれなかったとのことなので、医師の判断としては検査が必要な状態ではないということだったのでしょう。
それを何を思ったか
・複数の医療機関を受診する
・粘って粘って頼みこんで、検査をしてもらう
という行為に及んだそうです。
なぜこのようなことをされたのでしょうか。
検査で陽性でも陰性でも、やることは変わりません。
特別な治療法はないので、重症化しなければ自然治癒を待つだけ。やったとしても対症療法程度でしょう。
検査をしてもらえなかったとのことなので、医療機関では検査をしない理由を説明されたのではないでしょうか?にもかかわらず、複数の医療機関を受診した。
これは、自分がウイルスに罹患しているかもしれないと思いながら、複数の医療機関に拡散させたということではないでしょうか。医師の説明も無視して。
この一連の行動を「最悪の行動」と評している方がおられました。私も同感です。
複数の医療機関を受診することによって、感染を拡大させてしまう危険は考えなかったのでしょうか?
このような人がいるから、医療の崩壊が危惧されているのです。
軽症の方は、仕事を休むなり外出を自粛すること。風邪の症状がある人は、その原因がなんであれ、その風邪を人に移さないようにすること。重度の症状がある場合は、医療機関を受診すること。必要なことはこれです。
検査をしないと感染拡大を防止できないという意見について
「検査をして陽性と判定されれば、人にうつさないように気をつけることができる」と言う人がいますが、なんであれ風邪は人にうつしてはいけません。
国はずっと体調が悪ければ仕事を休むように言っています。なかなか仕事を休めない事情の人がいるという人もいますし、その大変さもあるでしょう。
ですが、「コロナだったら人にうつしてはいけない」のではないのです。いちいち検査を要求する前に、風邪症状は人に移さないようにしてください。
安易な受診は医療崩壊の引き金になりかねない
この時期に風邪の症状が出たら、不安になるのはよくわかります。
仕事は簡単に休めるものではないし、もし自分の子供が39℃とかの熱だったら不安でたまったものではないでしょう。症状のある方はまず保健所に電話するしかないです。
ですが、軽症なのに安易に医療機関を受診して、コロナのことだけ心配し、医師から検査は必要ないと言われても検査をやたらと要求するのは、医療崩壊の引き金となりかねません。
一度病院で検査を断られているのであれば、検査は必要ないと判断されたか、検査能力の限界から優先度が低いと判断されているかです。
もちろん確実ではないですが、自然経過で治癒する可能性だって高い。
それを無視して何度も受診したり複数の医療機関を受診することは、医療機関に負担をかけることに他なりません。
風邪症状のある人が医療機関を受診する行為自体が、なんらかのウイルスを拡散することにつながります。
検査の必要はない、特にこれといった治療はないと診断されたら、とりあえずその診断に従ってください。
納得がいかないからといって、複数の医療機関を受診するのは「ドクターショッピング」です。「たらい回しにされた」と言っている人がいますが、自分の意志で複数の医療機関を受診するのはたらい回しとは言いません。
検査をしてもらう行為自体が、医療機関の従事者に感染させる可能性があります。
コロナに感染している人が医療機関を受診したり、検査を受けること自体が、医療従事者にウイルスを暴露させるきっかけになり得ます。
検査は患者から痰などの検体を採取しなければなりませんが、その検体採取の際にウイルスを含んだ飛沫が周囲に拡散されてしまいます。
感染症外来では防護策を施した医療従事者が検体採取を行いますが、マスクや防護服などの医療資源だって限られています。採取する方は防護策を取っていても精神的負荷がかかります。
不安だから検査をしてほしい、と言われてはいそうですかと受けられるものではないのです。
検査をしてもらえたら安心できると言っている人がいますが、医療従事者がどんな苦労をして医療を提供しているのか、少し考えて頂きたいです。
医療機関が疲弊したら、医療の提供能力が落ちます。そうするとコロナにも、コロナ以外の疾病にも、十分な医療が提供できなくなる可能性があります。そうなると医療崩壊です。
安易に検査をしてもらったり受診したりして医療従事者に感染を広めてしまったらどうなるでしょうか?罹患した医療従事者はしばらく現場を離れなければなりません。労働力が欠落しても医療崩壊します。
スペイン風邪の時には感染拡大の2波、3波が世界を襲いました。この時には医療従事者にも感染者が大量に出現して、医療機能の低下が引き起こされています。
感染症対策は長丁場として考えなければなりません。
医療従事者への配慮がない「不安だから検査をしてくれ」という声など、私はまともに聞く気になれません。
「検査をしてくれと言っている人がいるじゃないか!なぜ検査をしないのだ!」と言っている人たちに対しても同様の思いです。
もう少し医療従事者のことを考えてもいいと思うのですが、余計なお世話でしょうか。
コメント