「黙っていること」ができない人たち

社会
雪乃
雪乃

いつもありがとうございます。最近のニュースについて気になっていることを書きたいと思います。

黙っていられない人たちが混乱を助長しています

女優の岡江久美子さんが亡くなられました。

有名な方の訃報はインパクトがありますね。岡江さんは症状が現れて自宅で経過観察をしていたところ、急激に症状が悪化し入院したということで、ご家族のご心痛はいかんばかりかとお察しいたします。

他にも自宅で経過観察中に急激に症状が悪化される例が報告されていますので、そのような報道に接するたびに不安が募ってしまう・・という方も多いのではないでしょうか。

しかし、このようなことがあるからと、早期に検査を実施して治療をするべきだというご意見がありますが、私は同意できません。

新型肺炎ウイルスの疾患の場合、まだ治療法が確立されておらず、早期に介入を実施したとしてもよい治療成績を上げられるかどうかは疑わしいからです。

また症状が出現したばかりの人に対してすぐに検査・治療を開始していくとなると、医療資源が足りなくなってしまう可能性があります。

検査にしてもより感染の可能性の高い人を対象に実施していかないと、検査のリソースがすぐに枯渇してしまいかねません。

なので基礎疾患のない方などはしばらく様子見という対応が、ある程度やむを得ないかと思います。

私は専門家ではありませんが、専門家の知見を踏まえて対応策が構築されている以上、やはりそれに応じた対応が行われなければならないと思っています。

Twitterを見ていると、有名人の方が医療に関してや防疫に関して批判をされているのを目にします。別に批判するなと言っているわけではありません。間違ったことに対しては批判をしなければならないでしょう。

ですが、根拠に乏しい批判や誤った批判もまた、混乱を助長して被害を拡大させるのではないかと懸念を抱いています。

有名人の方が煽るような批判をすると、多くの人が誤った方向に誘導されてしまうのではないかと思わざるを得ません。もっとも、私の意見だっていつも正しいとは思いませんが。

具体的に、有名人の発言について疑問に思ったものと、それに対する批判意見をピックアップしてみましょう。

まずは麻木久仁子氏です。

まず、麻木久仁子氏の批判の前提は間違っています。基礎疾患のある方や、高齢者や妊婦である場合は2日程度症状が続いた場合、帰国者・接触者外来を紹介してもらえる場合もあります。また重い症状が続いた場合は、4日をまたずに対応してもらえる場合もあります。この点の誤りは上記ツイートで指摘されていますね。

また、麻木氏へのリプライで早期にアビガンの投与等の対応をしていればよかったのだ、という意見が多く寄せられています。

これは麻木氏から表明された意見ではないですが、早期に対応をすればよいのだという麻木氏の発言の論旨から言って、早期治療を行った方がよいという意見であるとして、アビガンについても触れておきましょう。

現時点で、新型肺炎に対してアビガンが有効であるという明確な根拠は十分ではありません。

現時点で、アビガンの有効性についての検証は行われていますが、高いレベルのエビデンスはまだ提示されていないというのが実情のようです。(2020年4月27日現在)

しかし、テレビをつければ宮藤官九郎氏や石田純一氏がアビガンの投与を受けて回復したという発言がテレビでそのまま流されているようです。中には専門家もいるので、一概に否定はできませんが、いささか無責任な意見ではないでしょうか。もっとも、アビガンが有効であると証明される可能性もあるのですが。

もう少し判断を慎重にした方がよいと思います。少なくとも、感情的にTwitterに書き込むことは、有名人の方は今は控えるべきではないでしょうか。

まあ、発言の自由はあるので、そこまで周囲が口を出すことではないのかもしれませんが。

関口宏氏の意見について

日曜朝の報道バラエティ番組で、関口宏氏が「どうして専門家なのにうつってしまうんだろうっていう疑問はぬぐえないんですよね」と発言されたそうです。

個人的には、関口氏のご意見については大変遺憾であると言わざるを得ません。新型肺炎に罹患したい医療従事者はいません。患者にも家族にも迷惑がかかります。医療機関では対策をきちんとしていますが、それでも感染してしまう可能性があるからこそ、医療従事者は今疲弊しているのです。

関口氏は「疑問がぬぐえない」と発言されていますが、そもそも理解をしようという努力をされたのでしょうか?今、医療従事者が院内感染が起きないよういかに努力をしているか、報道番組でも紹介されています。

また、前項で紹介した麻木氏の意見なのですが、そもそもの専門家の考えや今の対応について理解しようとしたかどうか、個人的には疑問に感じます。

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放射線治療と報道について

放射線治療についても、亡くなられた岡江さんがあたかも放射線治療を受けたことにより免疫力が低下したかのような発言が一部のメディアであった模様です。

これについて、以上の見解が放射線腫瘍学会から示されています。

今、ガン治療のために放射線治療を受けている方が、報道に接して不安を抱いているという話を耳にします。治療を受けている方は、不安定な心理的状態になりがちです。そこで安易に放射線治療と感染症を結び付けるような発言はテレビではあってはいけなかったのではないでしょうか。

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健康情報や医療についての情報はよく吟味を

芸能人の方が、いろいろな健康情報を発信されることもよくあります。

牛乳を飲むと逆にカルシウムが不足するとテレビで発言されていたお笑い芸人の方がいらっしゃいました。しかし、このような情報はよく吟味しないと、かえって健康を害する人が多くなってしまうのではないか?と感じています。

今、報道、有名人の発言、SNSでの流言・・等々が問題を引き起こしているのではないかと思えてなりません。

安易にテレビでパルスオキシメーターを紹介するものだから、混乱が起きたりもしています。

BCGも不適切な使われ方をしているそうです。

情報の受け手も、煽られてばかりではいけません。

情報の選別は、しっかりしないといけないと思います。


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