「行動するのはいいことだから、批判をするのはおかしい」という意見について

介護

本日も介護未経験なのに動画配信で介護について誤解を与えてしまった人のお話です。

もっとも、本人は本日もYouTubeを公開し、「4月の入職までに自分が行う取り組みを紹介する」と発言されているので、現在の本人のスタンスに対して何か批判をしたいわけではありません。

前回の投稿に関しても、当該ユーチューバー氏の発言そのものより、彼を擁護する意見に対しての違和感を自分なりに言葉にしたものです。 https://yashirok.xsrv.jp/archives/491

彼に対する擁護意見の中にもう1つ私が気になる点があったので、今回はその点について自分の中でまとめた部分を書いておこうと思います。


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「未経験者が情報発信してくれてるのだから批判するのはおかしい」という意見について

当該ユーチューバー氏の動画は、内容にあまりにも不正確な発言が多かったため批判が殺到しました。

批判意見には「未経験なのに」「無資格なのに」というものも多く、確かに経験がまるでなければ間違いも増えるだろという点でその批判も間違いではないと思います。

ただ、有資格者、経験者であってもあそこまで間違った内容を配信していれば批判はされただろうなとも思います。

彼への擁護意見として「無資格だから間違うこともある。せっかく情報発信してくれてるのに批判するなんて」という意見がありましたが、間違った内容であれば配信者が経験者だろうが未経験者だろうが別の形で批判はされていたでしょうね。

未経験者が介護について具体的な内容を語るという無謀さはインパクトが強かったですけどね。

「行動することが大事なのだから、それについて批判をするのはおかしい」という意見について

彼に対する擁護意見のもう1つ。

「行動しているのだから、彼に対して応援できる。間違っていたら修正していけばいい。行動することこそ、守旧的な介護業界を変革するのに必要だ。『正しいか正しくないかは問題じゃない』

というものがありました。

しかし、「行動」とはいったいなんでしょうか?行動という概念に対する認識が、私の理解とは少し違うようです。

当該ユーチューバー氏は現在も動画配信とブログの更新を続けています。主に語っているのは働く前に知識の習得を実践し、過程をアウトプットしたいとのことです。

この行為にもまた賛否はあるでしょうが、ここでは述べません。

現在の彼は「動画配信」「ブログ更新」「Twitterの更新」「知識の習得」という一連の『行動』を行っていますね。それらに対する賛否はあるでしょうけど、特に批判ばかりされているというわけではありません。

この点から考えても「未経験だから批判をされた」「せっかく行動したのに批判された」という一部の擁護意見はあまり筋が通らないと思います。妥当な行動だったら、批判されることはないはずです。

そして「行動しているからよいのだ」という意見はYouTubeでの動画配信やブログなど一部の行為だけを「行動」と認識していませんか?

初任者研修を受ける、施設見学に行く、テキストを読んで勉強する、これらも全て「行動」なはずです。

動画配信を行うなどのごく一部の行為だけを見て「行動している」と称賛するのは違うのではないでしょうか?

また当該ユーチューバー氏のような人目につきやすい行動だけを称賛するのではなくて、現場レベルでの活躍で業界全体にいい影響を与えているので、この機会に振り返ってみましょう。

ツイート先のリンクをご参照ください

「正しいかどうかは問題ではない」は次の項でもう少し考えてみます。

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間違った行動は害を及ぼすので、正しさは重要です

世の中「これは正しい、あれは正しくない」という答えを出すことができる問題ばかりではないのですが、正しさはある程度求めていかなければなりません。情報発信する人にとっては、また情報を受け取る人にとっても、情報の正確さは求められます。

ここで、当ブログで何回か取り上げている某メンタリスト氏が配信したYouTube動画の「宿題は無意味であると科学的に証明された」というデマ問題について、もう一度紹介します。

宿題は無意味、動画の炎上の経過

・某メンタリスト氏が「デューク大学の研究により、小学生への宿題は効果がなく科学的に意味がないことが証明された。と動画を配信する。
          ↓
・元の論文にはそんなことは書いておらず、配信の内容は間違っているという批判が展開される。
        ↓
・某メンタリスト氏は間違いをなかなか認めず、批判者を逆に批判する。このことから、まずます批判が大きくなり、最終的に間違いについては認めた。

以上が大まかな経緯です。

何度かこのブログで紹介させて頂いているSDGsマンさんも、某メンタリスト氏を批判していた1人です。

そんなSDGsマンさんのところに某メンタリスト氏のファンから、ある反論が届いたそうです。

いわく

内容が正しいとか正しくないとか、そんなことを言ってるからダメなんだ。

正しさなんて別に求めてない。

という内容だったそうです。これはまあ、反論にすらなってないですね。

今回の介護未経験ユーチューバー氏への擁護意見と同じような理屈ですね。

しかし、情報がだれでも発信できる社会だからこそ、正しいか正しくないかの選別は最低限必要です。これは情報発信に限らず、行動には正しさが求められるはずです。社会人経験とか、知識のある人であれば、誰かの行動の正しさを考える必要はあるでしょう。

SDGsマンさんはそんな反論の声があったことを紹介しつつ、宿題の意味について以下のように強調しました。

SDGsマンさんの解説より:宿題の意味

・宿題は教師が学習者の理解度を測るために使えます。学習過程のどの部分について理解が不足しているか把握することによって、学校での学習を調整することができます。

・宿題を課すことによって、教師は子供の家庭の学習環境について知ることができます。

SDGsマンさんの解説より:宿題不要デマのどこが問題なのか

・論文を誤読した配信内容に問題があるのはもちろんですが、それによって不利益を受けるのは「宿題を本当に必要としている子供たち」です。

・家庭での学習環境が整っていない家庭の保護者ほど宿題不要デマを真に受け、学校に「宿題をなくせ」と要求してきます。そういった家庭での子供たちこそ、宿題を必要としているのです。そういう子供たちこそ宿題で家庭での学習習慣を身に着けさせる必要があります。

・家庭での学習環境が整っておらず、宿題が必要と思われる具体例がゆたぼんくん一家のような家庭です。

宿題不要論についての動画はこちら
【悲報】メンタリストDaiGoは科学的に正しくない。まぁ、宿題は悪くないっすね〜 なんでかって言うと〜
https://www.youtube.com/watch?v=dIF08GlAhmw

ゆたぼんくんの家庭についての動画はこちら
【子どもの権利】不登校YouTuberゆたぼん自身の批判や称賛するのは問題を見えなくさせるので危険です【大人の問題】
https://www.youtube.com/watch?v=LvLDOVBRAL4&t=107s

介護・福祉の転職サイト『介護JJ』

まとめ

某メンタリスト氏の動画の問題点まで拾ってくるのは話を広げ過ぎたかもしれませんね。

ただ少なくとも間違った配信は、人に不利益を与える可能性が大きいことは間違いないと思いますよ。

行動しているから正しいとか応援するべきという意見は手段と目的を取り違えていると思いますし、間違いをスルーして無批判に称賛してしまう行為は、冷静さを欠いていると思います。

機会があれば、現在の日本で行動することは正しさが検証されずに称賛されてしまうことがある点、またその行動が社会に不利益を与えてしまうことがある点、等についても考えてみたいと思います。

あと、「出てきた若者を徹底的に叩くのが介護のリアル」などといっていた方を見かけましたが、今そんなに当該ユーチューバーが批判されているわけではない時点で、その意見は筋が通らないんじゃないかと思いますよ。介護が陰湿な業界であるかのように言っている方がいますが、そういう人こそ介護のイメージを悪くしてるんじゃないかと思ってしまいますけどね。

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