いつもありがとうございます。本日は訪問看護師さんのお仕事についてお届けしたいと思います。
Twitterで悲しい話題がシェアされていて、私の目にも留まりました。
新型感染症で世間がピリピリしている昨今です。医療機関で感染者や院内感染などが起きれば、それはもう大騒ぎになってしまいます。
平時から看護師さんの活躍の場は病院に止まりません。デイサービスにも老人ホームにも看護師さんが配置されていますし、ツイートされているように訪問看護師としてサービスを必要とする方の自宅に行って直接サービスを提供されている方もいらっしゃいます。
突然、訪問看護師さんに詰め寄った男性には訪問看護の仕事の説明を聞いても、ご理解いただけなかったようですが、このブログが目に留まった方に訪問看護師さんのお仕事が少しでも伝わればよいなと思います。
訪問看護師さんのお仕事とは？
私は介護保険のケアマネとして、介護保険上での訪問看護をご利用される方と接することが多いので、その面から書いていきたいと思います。
訪問看護には医療保険を使った訪問看護とか精神科訪問看護とかいろいろあるんですけどね。
まず、40歳以上で介護保険でいう要支援・要介護状態になった人は介護保険の点数を使って訪問看護を利用することができます。
私が働いている地域ではある程度の病床数のある病院は、系列に訪問看護ステーションを設置していることが多いです。規模の大小はありますが、いろんな法人が訪問看護ステーションを設置していますので、要介護認定を受けていて興味のある方はケアマネさんにご相談ください。
訪問看護は医師と随伴して診察をしたり、薬を処方したりする仕事ではありません。
要介護状態で自宅で療養したりしていると、ついつい病院からもらった薬の管理があやふやになったり、床ずれが出来てしまったり、浣腸が必要だったりします。
自宅療養の状況がもっとシビアだと、在宅酸素の装置を家に設置していて、酸素吸入量のチェックを行わなければならなかったり、胃に増設した胃ろうに食事を注入しなければならなかったり、点滴による利用管理を行わなければいけなかったりします。
元のツイート主さんが言われるようにオムツ交換や入浴のお手伝いの他、終末期の方のケアまで幅広い状況に対応されているのが訪問看護師さんです。
研修を受けた介護福祉士さんは、訪問介護で胃ろうの注入ができたり痰の吸引ができたりできるようになっていますが、やはり在宅で療養する方のケアの要は訪問看護師さんが今後も務めるだろうと思います。
緊急時訪問看護加算と言う訪問看護ステーションが算定できる介護報酬もありまして、緊急時訪問看護加算を算定している事業所は深夜でも利用者さんからの要請があれば電話対応や現場への訪問など随時の対応をされています。
在宅介護における多くの役割をこなしておられる訪問看護師さんは、地域に欠かせない存在と言っても過言ではないでしょう。
今は新型感染症だけに世間の注目が集まりがちです。ですが、そんな時でも地域医療、介護の要である訪問看護師さんの存在を忘れないようにしていただきたいものです。
利用には医師からの指示が必要などの縛りはありますが、訪問看護を利用することで利用者さんの急な状態変化にも対応してくださるので、ご家族にとっても助かる制度だと思います。
普段から地域のために駆け回っているのが訪問看護師さんです
今回は、残念ながら訪問看護とはどういうものかご理解されていない方から叱責を受けるという理不尽な出来事があってしまったようです。
まだまだ訪問看護の認知度が十分なわけではないという背景があるのかもしれません。
しかし、在宅で介護を受けている方がたくさんおられる現状では、医療分野での高いスキルを持つ看護師さんに現場に出てきてもらわなければなりませんし、そうでなければ現場の医療も、介護も成り立ちません。
地域差はあるでしょうが、普段から看護師さんは地域を巡回してその役目をはたしておられます。
なんのために訪問看護師さんが地域を駆け回っておられるのか、多くの方に納得いただければ、今回のような件もへるでしょうか。
あるいは、看護師と言えば感染症などの病人の看護だけをしているという固定概念があるから、上記のような誤解が生まれてしまったのでしょうか。なかなか在宅介護なども経験しなければ、どんなことをしているのか、想像もつきませんよね。
今の新型感染症の問題が収束したとしても、訪問看護師さんの仕事は無くなりません。
今日も、明日も訪問看護師さんは現場に求められていますし、多くの役割を現場で担っておられます。身近なところで看護師さんが活躍されているからこそ、地域の医療介護が成り立っているのだと、ぜひ多くの人に知っていただきたいと思います。
訪問看護師さんのお仕事の例
・在宅介護を受ける方の、入浴、排泄、オムツ交換などの介助
・自分での薬の管理の難しい方の、薬の整理、お薬カレンダーなどへのセット
・健康状態の観察、監察結果の医師やケアマネへの伝達、本人やご家族への療養上のアドバイス
・床ずれのケアなどの医療処置
・点滴や胃ろうの注入など
・緊急時の対応
（以上は一部です）
介護保険の認定を受けている方は、ケアマネに相談することでサービスを利用することができます。介護保険の利用から医療保険に切り替わることもありますが、まずは担当のケアマネさんや地域包括支援センターにご相談ください。
新型感染症だけに注意を取られるのではなく、普段から地域のために動いている訪問看護師さん、ならびに介護関係の方への理解ももう少し深まって欲しいと思った一件でした。
今後も介護のことについてなど発信していきたいと思います。
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