『食事』

介護

「食べたいものを食べさせない、栄養の事ばっかり言うのが介護や医療の仕事か!って思います。私は食べたいものをどうやって食べて頂けるか考えるのが、生活に寄り添う介護の仕事だって思います」

はあ…。

『天下一介護コミュニティ』なる得体の知れない介護オンラインサロンの宣伝動画を観て、私は呆気に取られていた。

喋っている代表は『勝井 舞』と名乗っている。見た感じ30手前といった感じだが、それ普段から医療や介護の従事者なら考えていることだぞ。

食べたいもの、美味しいものを食べて満足できるのであればそれに越したことはない。それを踏まえた上で、どうすれば安全に食べられるか?どうすれば病状を改善して生活の質を上げる事ができるのか?そうした試行錯誤は介護現場で日常的に行われている。

『天下一介護コミュニティ』とは、名前は大層だが、言っている事は介護現場の実情に沿ったものではないと感じた。

そう思い私は観るのを止めた。滝沢さんの食事のアドバイスの参考になればと思ってネットを検索していたが、どうやら時間の無駄だったらしい。

やはり明日の管理栄養士さんとの面談に頼るべきなのだろう。

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「始めまして。管理栄養士の是枝です」

今日は地域の認定栄養ケアステーションから管理栄養士さんに来てもらっている。

「始めまして、滝沢です」滝沢さんは人工呼吸のマスクをつけながら返事をした。「よろしくお願いします」夫も続けて頭を下げる。

この面談は保健師さんがつなげてくれた。訪問してくれる管理栄養士さんには心当たりがなかったのだが、認定栄養ケアステーションからの訪問が地域で始まっていたのを保健師さんが知っていたのだ。

ALSという難病には対応の経験がないと、最初は渋られたそうだが、なにぶんこの病気は珍しい。何事も経験だと思う。保健師さんの説得に、管理栄養士さんも訪問を決断してくれた。

さて、ここからどうやって具体的なアドバイスにつなげていくのか。ここはケアに携わる各々が考えていく課題だ。

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