ケアマネは『要らない』か?

介護

みなさんこんにちは。雪乃です。

介護職の方はゴールデンウイークとか関係なかったりしませんか?私は今日も仕事でした。明日からお休み頂きますが、連休中に1回は出勤しないといけません。

月初めには先月の実績を入力して。要支援の方の実績は包括支援センターに、要介護の方の実績は国保連にデータを提出しないといけません。

締切があるので。月の初めはちんたらしてられないのです。

ケアマネがデータ入力をミスっていれば、最悪サービス提供事業所が介護報酬を貰えないという事もあり得ます。そうなったらお詫びして、来月に出し直します。そんな事態は避けたいですよね。

そんな業務も負っているケアマネですが「ケアマネは簡単な仕事しかしてないから要らない」と言うYouTuberさんの動画を観ました。

どうやらケアマネの仕事ぶりにご不満があるようです。その方の動画を拝見して思った事を今回は書きます。よろしくお願いします。

ケアマネや介護職はロボットではない

そのYouTuberさんに言わせると、ケアプランは長期目標や短期目標を決めているだけで、具体的なケアの内容とかその人がどういう生活をしたいのかをまるで書いていない、とのことです。

だからケアプランを見ただけで「この人は生活する上で何を大事にしていてどういうケアをしたらいいか、よくわからない」と述べておられました。

確かにいいケアプランもあるし悪いケアプランもあるでしょう。施設のケアプラン在宅のケアプランも違うと思いますが、私は在宅のケアプランしかよくわかっていません。YouTuberさんはどうやら自分が働いていた施設のケアプランを問題視しているとお見受けしました。

ですが、ここで誤解のないよう、ケアプランの内容についてさらりと述べておきます。

ケアプラン作るにあたって、ケアマネはまずアセスメントを行います。

そこから生活上の課題、ニーズを見つけ、優先順位をつけます。そのニーズを満たすためにどうすれば良いのか、長期目標、短期目標を設定して、サービス内容を決めます。

少なくとも、ニーズ、長期目標、短期目標、サービス内容の4つについては書き込みますので、目標しか決めてないというのは誤解だと言わせてください。

例えば入浴に関してプランを作るとしましょう。

①アセスメントしたところ、対象者は入浴が困難であることがわかった。

②生活上の課題を設定「例:定期的にお風呂に入って、気持ちよく生活したい」

③長期的に見て、どういう生活が望ましいかの長期的な目標を設定します。「例:定期的に入浴し、清潔な状態で生活ができる」

③そのためにまずは何をすればいいのか、短期的な目標を設定します。「例:介助を受けて入浴する事ができる」

④そのためのサービスの内容を決めます。「例:浴室への誘導。衣服の脱衣の声かけ、体調に応じて一部介助する。洗身、洗髪、浴槽への出入りを声掛けし、難しければ一部介助を行う。できる部分は自分で行うよう声かけする」

大雑把にまとめれば、こんな感じです。紋切り型と言われればそうかもしれませんが、これ以上こと細かな内容を書いたところで、現場が困ってしまうでしょう。現場の判断である程度裁量が効くよう、幅を持たせてあるつもりです。

そしてプランを決めてサービスを開始してからは評価を行います。定期的に入浴をすることで生活に満足感は生まれているか、介護のしすぎで残存機能は落ちていないか、自立するためにもう少し本人にできる部分があるのではないか、他の要因でもう少し介助が必要な状態になっていないか…そうした部分を評価して、次のプランを練っていきます。

そのYouTuberさんは「人によっては『お風呂は最後に入りたい』とか『半身浴をしたい』とか『○分は湯船にしっかり浸かりたい』とか、その人が大事にしているいろんな生き方があるはずだ」と言っていました。

そして「私なら「湯船にゆっくり浸かりたい」とか「半身浴をしたい」とかいろんなケアプランを考える」と述べています。

ですが、それはサービス内容を決めただけで、それをして利用者の生活がどう変わるか、何を目指すかが少しも明確になっていません。生活上の課題の把握も曖昧です。

施設ケアプランを作るとしたら、施設でどこまで対応できるか、限られた人的資源の中で何をどこまでどうするか、調整が必要です。利用者が半身浴をしたいと望んだとして、それを実現できる体制があるかどうかに直面します。難しければ難しい事を相手に伝え、合意を取る作業だって必要です。

施設ともなれば他に入浴を必要としている人だってたくさんいるはずです。利用者が望むことは、できるなら施設だってやりたいと思っています。ですが、介護報酬や収入の制約の中で、どこまでできるかという問題もあるでしょう。まずは「入浴ができていない」というニーズを満たすことが先決事項のはずです。

そのYouTuberさんは「私がケアプランを作るなら『夜は○時まで起きてテレビを観たい』『お風呂は毎日入りたい』『嫌いな物は無理に食べさせないで欲しい』『声かけ無しに車椅子を押さないで欲しい』とか利用者の話を聞いて入れますそこまで考えてプランを作れないならケアマネなんていらない」とまで言っていました。

ですが、申し訳ないのですがそのYouTuberさんの作ったプランなど、利用者のして欲しい事をそのまま書き連ねただけで、それ出入り利用者が望んだ事をやるだけのただのロボットのようなものです。

限られた人的資源を使ってどう生活に働きかけていくのか、どういう生活を目指すのか、全く具体的ではありません。

加えて「車椅子を声かけ無しに押さないで欲しい」とわざわざ書くのは、現場をなめています。

そのYouTuberさんは以前は介護の現場にいたようですが、車椅子を押すときに「この人のケアプランには『声かけ無しに車椅子を押さないでください』と書いてなかったしな」と思って車椅子を急に押していたのでしょうか?

ケアマネは利用者の生活を考えるにあたって、ある程度は現場に判断して頂けるよう考えてケアプランを作っています。

もしどうしてもケアプランに記載が無ければできないことがあり、それが抜けていたとしたら現場から指摘して貰えればいい。

意見を言うのは勝手ですが、ケアマネや現場をなめきった提言をするのは、ちょっと勘弁して欲しいものです。

言いながら私も質の高いケアプランを作れているか、わかりませんが、今後も現場の方、利用者の声を聞きながら精進したいと思います。

以上、雪乃でした。


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