誰のための看取りなのか

介護

皆さんこんにちは。

先日、看取り士という人達に対して否定的な記事を書きましたが、その後もいろいろ調べてみました。

看取り士の資格を認定している団体が出している本を読みましたが、看取り士の資格を取得している多くは看護師や介護職だそうです。

看取り士に対してもっとも気になった点は、看取り士を紹介している記事の中で、看取り士が「死の際に立ち会って幸せだった」と述べていることです。

私が介護支援の仕事の中で思っていることですが、誰に対する支援であっても、最も尊重するべきは支援される人の価値観や意向だと思います。

支援する側にも価値観はあります。自分の仕事に対して満足感を抱くこともあるでしょう。ですが、それは前面に出てくるような話ではありません。

亡くなる際に立ち会って幸せってどういうこと?

支援される側は、看取り士に満足してもらうために亡くなっているわけでもありません。

看取り士は、公的に認定された資格ではないにしても、対人援助の専門職でしょう。

専門職として個人の満足感を語るなど、あるまじき行為と感じました。記事を書いた人の問題点もあるとは思いますが。

看取りを物語として消費する専門職たち

こうしたことは、看取り士に限りません。

ある介護系のYouTuberが、自分は介護職として亡くなる直前の方のケアをできることを素晴らしいと感じると述べているのを目にしました。

しかし、介護職として、プロとして、亡くなる直前の方のケアだからと特別視することには疑問を感じます。

亡くなる直前であってもそうでなくても、介護職がするべきことは差をつけずにケアを提供することではないのでしょうか?

個人の価値観としてそういう思いを持っているだけなら否定はしませんが、SNSやYouTubeでそれを口にするのは違うと思います。

個人の感情は大事だとしても、感情的な部分にウェートを起きすぎていては、ケアを提供する上で価値観を押し付けてしまったり、不適切なケアになってしまう可能性が高くなると思います。

ついでに書いてしまうと、看取りを特別なものとして記事化してしまう介護系のブロガーが多すぎるのではないかと思います。

そうした記事の中では、どうも亡くなった当事者の存在が、ケアを提供した側の満足感の後に置かれてしまっているような気がしてなりません。

本当に利用者のことが尊重されているのか?その点が気がかりです。


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