大根を抱えて面接を受けに来た人の話

介護

福祉・介護ランキング

介護の職場は過酷な現場です。

介護の仕事と言えば賃金低い、仕事内容がそもそもキツイ、汚いの敬遠されがちな要素の全てが揃っているような印象で語られることが多いですね。

賃金に関して言えば改善されつつあるとは思います。しかしキツイ業務であること排泄介助などを行わなければいけないことは今後も変わりませんし、そのようなイメージが定着してしまうのは仕方がないのかなあとも思いますね。

でも介護の仕事と言ってもいろいろですね。

デイサービスという介護施設は朝に利用者さんを迎えに行って日中は利用者さんに施設で過ごしてもらいます。私が前にいた職場です。

介護を受ける必要があるくらいには体が弱っていたり認知症があったりする。でも施設に入るくらいではない。

家族が自宅でお風呂を介助したり、日中のお食事を用意するのは大変です。認知症の予防をしたり運動不足にならないよう、外出をする必要がある。でもそこまでするのは大変。

そういう場合はデイサービスや似たような施設としてデイケアを利用することで介護の負担を軽減することもできますよ。介護認定を受けていない場合はお近くの地域包括支援センターなどにご相談ください(^^)

デイサービスで働いていた時の私は充実していました。

20代半ばで転職して介護の仕事を始めましたが、大変な介護の仕事が私にもできるのかなと思っていましたし、体力に自信があるわけでもなかった。

でもデイサービスを利用される利用者さんは自立度が高くてそこまで多くの介護を必要とされる方は少なかったので私も働きながら経験を積むことができました。

排泄の介護や入浴の介護など、大変な思いをすることもありました。ベッドから車椅子に移っていただくのもしっかりと体を抱えなければいけない方などもおられました。そういう方の介護をするのは大変ですが、当然の務めでもあります。

でも未熟な私を丁寧に指導してくれる先輩にも恵まれましたし、介護福祉士の資格を取りキャリアアップも順調にできましたし、いい経験でした。

ケアマネとなった今でもケアマネ未経験で介護業界に長くいるわけでもない私がなんとかやっていけているのは部署の先輩と系列の他部署の人たちのおかげでもあります。

親子くらい歳が離れていてもそのぶん可愛がってくれているようなところもあります。あまり甘えすぎてもいけないですが、本当にありがたいです。

介護の職場にも魅力はいっぱいあると思いますよ。

学歴のない私が非正規のパートでデイサービス職員から始めて、介護福祉士の国家資格を取り、ケアマネの資格を取って正規雇用されたのですから学歴がなくてもキャリアアップできる介護の仕事があることは私にとってありがたかったですね。

もちろん、施設の仕事で多くの介護を必要としている職場は体力が要求されるかもしれません。認知症の方を受け入れるのが基本のグループホームは対応が大変かもしれません。

大変な現場もありますが、でもそれだけが介護ではないです。オムツ交換を手早くできる人材、入浴時の体調観察をしっかりできたり、看護師や医師との連携ができるしっかりとした知識を持つ人材、経験を積むことでキャリアアップはできますよ。

介護の転職なら『クリックジョブ介護』

安易なことは言えません。合わない人もいるでしょうし、一筋縄ではいかないでしょう。どの業種でもある程度は同じでしょうけどね。

あと、夜勤の経験は私にはないです。夜勤は人手が薄いのでそれだけスタッフにかかる負担も増えることになります。

ここは介護職当事者が待遇の改善を求めて戦っていかないといけない部分かもしれませんね・・

当事者としては「労働環境の改善の要求なら、とっくにもうやっているよ!」という方もいるかもしれません。

まだまだ課題が多いのいのも現実・・

課題はどの業種でもありますし、他の業種に共通する課題もあります。

別に介護職種を悪く言いたくてこの記事を書いているわけではないですが、私が個人的に体験した嫌な出来事を以下に書きます。

職場を荒らした「大根介護士」

私が以前在籍していたデイサービスは慢性人手不足でした。

大手の法人が運営していたわけでもなく、デイサービスを単独で運営していました。介護業界の中でもあまりいい待遇を用意できていたわけではなかったと思います。

人手不足で待遇もあまりよいわけでもない職場だと何が起こるか。

募集に応募してくる人材もあまりいい人がいなくなります。

そんな時に大根介護職が現れたのでした。

大根介護職とは何か。これは私が勝手にその人につけた名前です。

別に介護の腕が大根だとかそういうわけではありません。

まあ実際に(経験の割に)大根でしたけど。

デイサービスが求人のチラシを施設の窓に貼っていた時に、その大根介護職は現れました。

大根の入った買い物袋を抱えた中年女性が、デイサービスの入り口を開けました。

「求人のチラシが貼ってありましたけど、職員募集してるんですか?応募したいんですけど。」

女性は言いました。何を思ったか施設長はその場で面接を始めます。人手不足にあえいでいたデイサービスは、そのやり取りで大根介護職の採用を決定したのでした。そんなやり取りがあったのと施設長の奥さんから聞いたのは後の話。

その話を聞いた時の私の感想

いや、断われよ

当時20代だった私からしても、社会人としての常識として採用に応募する時はまず電話でアポを取るのが常識であることくらいわかります。

ましてや大根を抱えて面接を受けに来る人なんて今に至ってもまずそんな話を聞いたことありません。

コンビニの面接を受けに来る時だって、大根を抱えて行きませんよね?どう見ても地雷案件です。

(上記画像は採用面接時のイメージ画像です。一通りの素材が揃っているいたすとやで検索をかけてみたのですが、残念ながら大根を抱えて面接を受けに来る人物のイラストは見当たりませんした)

大根介護職の経歴は介護福祉士&ケアマネの資格持ちでした。業界経験もある程度あります(なかったらどちらの資格も取得できません)。

人手不足を打開するための苦肉の策だったのでしょうが、とにかく大根介護職の採用は私のあずかり知らぬところで決定事項となってしまったのでした。

大根介護職採用のその後

大根介護職の採用は私が働き始めたのとほぼ同時期なのでどのみち私がその決定に口を挟めるものではありませんしたね。

経営者は経営者の立場でいろいろ考えるものなので、いちパート職員には理解できない苦悩もあるでしょう。

しかし私の視点からすれば、そのデイサービスは大根介護職の採用によって少なからず苦渋を味わったかと思います。

大根介護職には介護経験がありました。ベッドから車椅子、車椅子からトイレへと移乗させる、入浴時に服を脱がせたり浴槽に入ってもらう、等々の技術が必要とされます。

ただやるだけでなくて介護される利用者さんの負担が少なくなければなりません。少なくとも基本的な介護技術は大根介護職も一通り持ち合わせていました。

問題はその大根介護職がその身体介護を他の職員に押し付けていたことです。

「私、今日は腰が痛いから」と言いつつ大根介護職は負担の大きい介護を人に押し付けます。何のための介護技術なのか・・・

腰痛がある時に無理してはいけないのはわかりますよ。仕事だからと自分の体を壊しては元も子もないですから。本当に腰が痛いなら周りの職員の配慮もあってしかるべきだと思います。

問題は大根介護職が自分より立場の弱い職員に仕事を押し付けていたことですね。私は大根介護職その人ではないですから断言はできませんが、明らかに断れない人をターゲットに仕事の負担を押し付けていました。

他、デイサービスでは利用者さんに楽しんでいただく毎日のレクリエーションを当番制で回します。歌のお題を選んだり、ゲームの仕切りをやったりリーダーは日替わりです。

大根介護職はリーダーに選ばれてもリーダー業務を平然と人におしつけていましたし、レクリエーションの仕切りも経験の浅い私にやらされました。

ターゲットになったのは介護歴の浅い私と、同期の職員でしたけど、同期は大根介護職と歳が近かったのでなんだかんだと大根のターゲットにされることは少なくなっていきました。

後は、陰口が大好き。

私や私と仲の良かった職員は大根から嫌われていたので、私たちに聞こえるように陰口を言われることがありました。まあ私は陰口は堪えますが、まだ耐性のある方だったと思います。

個人的に気に入らなかったのは、大根介護職の気に入らない職員は利用者さんの前で悪口のターゲットにされていたことですかね

どんな陰口悪口を言われていたのかはキリがないのでここでは挙げませんが、自分が攻撃のターゲットにされていたり中傷されていたりするかはわかる人にはわかったりしたので、一人、また一人と職員が去っていきました。

採用を決めた施設長も、大根介護職は自分より年上だし経験もあるしだし強くは出れません。

管理職の大変さもあるんでしょうが、そこは強く出てほしかったかな・・

施設長の奥さんは私が直接大根職員から強く叱責されることのないように目を光らせてくれていたので、そこは感謝しています。

私も大根職員も掛け持ちで接点を持つ時間は限られていたので、極力関わらないようにしていました。先に大根介護職の方が職場を去ることになりました。

それから3年あまりして、私も経験を積みケアマネ試験の受験資格を得て合格し、ケアマネとして働くべくそのデイサービスを去る日がやってきました。

私が職場を去る前に施設長の奥さんから言われたのですが「よくターゲットにされても辞めなかったよね。本当に我慢強い人だと思った。貴方ならどこでもやっていけるよ」と言葉をかけてもらいました。

うん、まあ実際に何人も辞めていったしね

と率直な感想は述べませんでしたが、今となっては思い出の一つですかね。

つらつら苦い思い出を書いてしまいましたが、良かったこと楽しかったこと、貴重な経験がでこたこと、いろいろデイサービスで働いて得た経験はありますので別の機会にまた投稿したいと思います。

介護職の待遇もよくなるにつれて、悪質なパワハラをする人も徐々に淘汰されていくかと思います。というかこういう悪質な事例は業種を問わず根絶しなければならない。

速習 一問一答 介護福祉士国試対策2020 [ 介護福祉士国家試験受験対策研究会 ]価格:1,540円
(2020/1/12 00:43時点)
感想(0件)

介護職が幸せな働き方ができるために

以上はあくまでも個人的な経験を述べたものです。

ですが、介護の仕事に関わる人が悪質なパワハラやよく聞くお局ポジションの人の被害に遭うことができるだけ少なくなって欲しいです。多かれ少なかれ、問題のある職員はどこの職場であれどの業種にもいますよね・・

最近は介護の経験の乏しい人でも介護職の幸せな働き方について言及してアマゾンで2万位くらいのなんとも微妙な売れ行きをキープしているそうです。それに倣って私も介護職が幸せに働けるようにメッセージを発します。

介護職を採用する担当者は、大根を持ってアポもなく面接を受けに来る人は落とした方がいいです。

採用担当者はぜひ参考にしてくださいね☆

介護の転職なら『クリックジョブ介護』

関東の老人ホーム選びなら【ライフケア相談窓口】


福祉・介護ランキング

コメント

タイトルとURLをコピーしました