皆さんは機械浴という言葉を聞いたことはありますか?
入浴は高齢で介護を受けている方にとっても楽しみの一つであるかと思います。
そうかと思えば、お風呂が嫌いで半年以上も入浴を拒否し続ける方も中にはいらっしゃいます(-_-;)
衛生的な観点から入浴はしていただきたいですが、無理強いはできないという難しい面もあります。
お風呂に入りたい方に、入浴を楽しんでいただきたくても寝たきりやそれに近い方が入浴するのは現実的に難しいですよね。
訪問介護で自宅での入浴を手伝ってほしくても、浴槽をまたぐ力がなければ入浴は難しいですし、寝たきりに近いところまで弱ってしまっている方にはヘルパーさんでも支えきれません。
在宅で入浴したいけど、ちょっとやそっとの介護力では自宅のお風呂には入れないという方のための一つの解が、「訪問入浴」という在宅介護サービスの一つを利用することです。
訪問入浴は、車に組み立て型の浴槽を積み込み、入浴介助を行う3人1組が要介護者の自宅に訪問してくれます。
お部屋の中で浴槽を組み立て、利用者さんのお宅の水道からお湯を直接浴槽に流し込み、寝たきりの方でもベッドから直接浴槽に移乗させることで、利用者さんへの負担を最小限に入浴を楽しんでもらうことができます。
これも介護保険の認定を受けている方はサービスを利用できる可能性がありますので、興味のある方は担当のケアマネさんにご相談ください。
このようなサービスを利用できたとしても、要介護4とか5ともなりますと、住み慣れた自宅を離れ、施設で介護を受けることも検討しなければなりません。
施設と言ってもいろいろと種類はあるのですが、特別養護老人ホームなどの施設では重度の介護度の方が多くおられます。
いくら施設に介護職がたくさん在籍していたとしても、普通の浴槽に座ることも難しい方をお風呂に入れていくのは現実的に困難です。
施設ではそのような人のために専用の設備を備えていることがあります。
それが冒頭に挙げた機械浴です。
機械浴とはどんなものか説明している動画を以下に貼っておきますね。
機械浴の椅子に座ったまま、浴槽の中に入っていけるので利用者さんの負担の軽減にはもってこいですね。
ちなみに私は利用者さんを特浴に入れたことはありますが、実際に入ったことはありません。
この動画のモデルの方が言っていましたが、初めてだと緊張感がありそうです 笑
この機械浴にはいくつかのタイプがあります。椅子に座った姿勢を保つことも難しい利用者さんでも負担が少なく入れるものもありますし、大きなメリットのもう1つは介護する職員の負担も少なくて済みます。
無理して入浴が難しい方を何人がかりかでお風呂に浸かってもらっていては、人手がたくさん必要になりますが、機械浴を適切に使っていけば、入浴介助する職員の数も少なくて済みます。
その分の人手を他の利用者さんのために使えるのであれば、機械浴を実際に利用するわけではない他の利用者さんにもメリットがあるのではないでしょうか?
機械浴を頑なに否定する介護職の人
この機械浴にはメリットばかりだと安易に言うわけではありません。導入するにはコストがかかりますし、身体能力が改善する見込みのある方には少しずつ普通のお風呂に入ることをトライしてもらって、最終的には少しの介助だけで入浴が可能になるのであれば大変望ましいことです。
しかし、Twitter上で観測したことですが、この機械浴の導入に頑なに否定的な感情を持つ介護職の方がいらっしゃるようです。
少しでも利用者さんの自立を保つために、安易に機械浴に頼るべきではないというのがその理由なのでしょうか。確かに理屈としては全否定はしません。
しかし、現実問題として施設入所となった段階で、回復の難しい機能低下を起こしてしまっている利用者さんもいらっしゃるのが残念な現実です。そのような方に少しでも入浴の機会を提供し、入浴を楽しみながら清潔も保ってもらうことができる機械浴の使用は有益なことだと思います。
施設側に余力があれば、複数の職員が協力して利用者さんの負担を減らしながら通常の浴槽に入ってもらうことも可能であるかもしれませんが、職員の負担軽減はできないことになります。
過去に「おむつゼロを目指します!機械浴ゼロを目指します!」と謳いあげて施設運営を行っていた施設があったそうです。というか現在もあるみたいですが。
その施設は高邁な理念を掲げ、自分たちの取り組みのすばらしさを喧伝していたようですが、介護業界ではあまり相手にされず、結局その考えは浸透していないようです。
業界に浸透しなかった時点で、無理のある理想論であるのが明白なのではないでしょうか?
その理念に賛同している福祉職からは擁護の声もあるようですが、「4人がかりで入浴介助を行えば、1人2分は浴槽に浸かってもらい、何人もお風呂に入れることができるのだ!」という主張が出てくるなど、その主張は非現実的であるとしか言えません。
そこまでの人手を割かずとも、現状で通常浴の困難な方には無理せず機械浴を使ってもらえば、少ない介助者の数で利用者さんとコミュニケーションをとりながらゆっくり使ってもらうこともできます。
やはり大事なのは利用者さんの状態を適切に把握し、状態に応じて個別的なケアを適切に実施していくことなのではないでしょうか?
まだ回復の見込みが高い利用者さんに対して機械浴でなければ無理と決めつけてしまうのであれば問題ですが、最初から機械浴を全否定してしまうのであれば、それは支援する側のイデオロギーの押し付けです。
いったい誰のための入浴介助なのか?を考えれば、機械浴の全否定などという考えには至らないかと思いますが、皆さんはいかがでしょうか?
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